2-18 お化け屋敷対策

 そうして今一つの懸案事項というか、幼女神様に約束した事項の善後策を講じなければならない。

 アルノス様は加護と魔法創生と錬金術の相性がいいと言っていたな。


 錬金術を組み合わせて新たな魔法を造れと言うことか?

 但し、俺は聖属性の魔法って使ったことが無いんだよな。


 今日書籍を探していて初級魔法の手引きなるものがあったので購入していた。

 で、それによると、聖属性の魔法ってアンデッドあたりによく効く魔法なんだよな。


 そのほかに治癒魔法にも半分引っかかっている。

 ン、もしかして・・・。


 ステータス確認したら、水属性、火属性、金属性、光属性、雷属性、聖属性、闇属性のLV値が上がっていましたよ。

 それに治癒魔法が増えていきなりのLV2から、・・・・。


 ウン、ごめんなチュウ公。

 まぁ、他にもようわからん上がり方をしているの有りまんなぁ


名前:リューマ・アグティ

種族:ヒト族

年齢:17歳(23歳)

性別:男

職業:冒険者F

   錬金術師-I〔+2〕

   薬師-Ⅰ〔+2〕

レベル :25《82(+2)》<New>

 HP(生命力)    :560(+10)<New>

 MP(魔力)  :530(+120)<New>

 STR(筋力)  :75

 DEX(器用さ)  :124(+10)<New>

 VIT(丈夫さ、持久力):67

 INT(知性)  :310(+20)<New>

 MND(精神力)  :100(+10)<New>

 LUK(運)  :18(+2)<New>

 AGI(敏捷性)    :45

 CHA(カリスマ、魅力):17(+1)<New>


言語理解 :5(ホブランド統一言語ほか)


【スキル】

 剣術   :LV2

 槍術   :LV1

 棒術   :LV1

 格闘術     :LV6

 弓術   :LV1

 生活魔法   :LV1

 鑑定術   :LV8(+4)<New>

 隠ぺい術   :LV7

 射撃術   :LV10

 マップ・探索術:LV6<New>

 エンチャント :LV1<New>

 治癒魔法 :LV2<New>


【ユニークスキル】

 錬金術     :LV9(+3)<New>

 魔法創生   :LV10(+2)<New>

 インベントリ  :LV6(+1)<New>


【魔法属性】

 火 :LV2 (+1)<New>

 水 :LV6 (+4)<New>

 木 :LV7 (+1)<New>

 金 :LV4 (+2)<New>

 土 :LV7 (+1)<New>

 風 :LV7

 光 :LV5(+3)<New>

 雷 :LV2 (+1)<New>

 聖 :LV3 (+1)<New>

 闇 :LV2 (+1)<New>

 無 :LV8 (+1)<New>


【加護】

 アルノス神の加護(アップ率上昇)


【称号】

 魔弾の射手

 冒険者期待の星<New>

 錬金術師期待の星

 薬師期待の星、


 なんにしろ、エンチャントに「木」属性との複合魔法が関わっていることがわかった。

 「金」属性も魔法陣の中で剣や槍の刃に関する部分があったから、多分、その所為で上がってる可能性が少しと、後、錆びた釘使ってメスやら針やらの虐め道具作ったから、それが結構ステータスアップにつながったのかな?


 「水」に「雷」もエンチャントに使われたし、「水」は毒を作ったり、注入するのに使ったな。

 特に「雷」は、極々弱いのを制御しながらチュウ公に当てたしな。


 「無」は、多分テントの関係だろう。

 プログラムで空間拡張と微調整なんかをやったからな。


 そうすると、「光」、「聖」、「闇」が治癒魔法に関わっている訳かいな。

 初級魔法の解説によれば「聖」属性が関わっているのは間違いないし、「光」属性も、「水」属性も治癒魔法に関わっているらしい。


 だが、「闇」魔法が治癒魔法に関わっているとは書いてなかったはずだが・・・。

 これまで、いろいろやってきた中で闇のステータスは一度も動かなかった。


 だから今日やった作業に絶対に関連がある。

 空間魔法とエンチャントに関わりなければ、治癒魔法の一環で、何かが関連しているということだ。


 「闇」魔法の特性は?

 「闇」魔法は人の心の中にある恨みや憎しみと言ったものをより強調して発現させる効果を持つ。


 すなわち人の精神の中で、それらの良からざる因子を抽出して、術者の意図する方向へ向けさせようとするマインドコントロールだ。

 「闇」魔法をかけられた者は往々にして自らが異常であると認識せずに、その動きを術者に誘導されることになる。


 「のろい」もそうした意味では「闇」魔法の一種である。

 では治癒魔法の中に何故に「闇」魔法の因子が入り込むのか?


 或いは毒の無効化の部分か?

 もしや体内毒を無効化したのではなく、「闇」魔法で毒耐性を強化して毒をまるで無いようにチュウ公の身体をだましたのか?


 或いは毒の無効化と同時に、「闇」魔法で耐性強化を図ったか。

 正直なところ詳細は不明だな。


 ン、ひょっとして・・・、そうか・・・。

 アリスの呪いが「聖」属性に真っ向から反する「闇」魔法とすれば、彼女は「聖」属性だけではなく「闇」魔法にも通じている可能性がある。


 それが意としたものかそうでないものかに関わらず、彼女は憎しみと恨みを外に、屋敷に入って来る者に向けているのだ。

 それは彼女が潜在的に持っていたであろう「闇」属性を助長するものだ。


 だから彼女の「聖」属性を力づくで押さえつけようとした聖職者は、思いがけない「闇」魔法の反撃に対抗できなかったのだ。

 本来的には「闇」に対抗するには「聖」ではなく「光」である。


 むしろ「聖」には本来対抗する属性が無い。

 従って、より大きな「聖」で抑え込もうとして、思わぬ逆襲に遭って失敗したのだろう。


 アリスの怨念が「闇」属性に起因するものである以上、おそらくは「光」属性と「聖」属性の二つの力が必要であろう。

 特に彼女を病人と考えた場合、その精神をまず癒さねばならない。


 とすればキュアか。

 本来キュアは、肉体と精神の双方をケアする魔法。


 だが、彼女はアストラル体として残っているだけで、肉体はない。

 だから多分キュアは彼女の精神だけに作用する療法となる筈だ。


 彼女の「闇」属性の攻撃を避けるためには「光」と「聖」属性の結界を造るのがいいのではないだろうか。

 現場では結界を作って彼女の傍まで近づき、キュアをかける。


 うん、錬金術でそうした防具を造れそうだ。

 結界を築き、魔核の魔力で維持すれば手間はかからない。

 さてどんな形がいいか・・・。


 俺は結局、魔法の杖を造ることにした。

 いいものを作るのであれば素材にこだわらねばならない。


 杖の材料は、できればオールドトレント。

 ドライトレントよりも上級の素材のはずである。


 これに勝る杖の素材は世界樹ぐらいしかない。

 錬金術の書籍にそう書いてあった。


 「聖」属性の結界を張るために使用するにはホーリー・ストーンゴーレムの魔核がいいだろうし、「光」属性の結界を張るためには深海の魔物魚であるゴールデン・スウォードの魔核が適している。

 そうしてこの二つともに幼女神様がくれた魔核の中に有ったのだ。


 この二つを同時使用するには魔核の融合を図ればいいかもしれない。

 魔法陣を一種のプログラムとして考えた時に何となく魔核の融合ができそうな感じがするのだ。


 それぞれの魔核の役割を異なるサブルーチンと仮定すれば、メインルーチンの呼び込みプログラムで統合利用することは可能なはずだ。

 それにしてもC言語やJavaの知識がこんな形で利用できるとは思っても居なかった。


 残念ながらオールドトレントは手元には無い。

 商業ギルドや錬金術・薬師ギルドに果たしてあるかどうかだな。


 まぁ明日確認してみよう。

 駄目ならそれこそ、ゼロから魔法創生で作れるかどうかだが・・・。


 今日はやめておこう。

 午後の二の時から間に夕食を挟んで、ほぼ7時間近くもずっと作業をし続けだったから疲れたのだ。


 寝る前に温泉に入って、まったりしてからベッドに入った。

 ベッドに入って直ぐに、鑑定能力で他人が俺のステータスを見られるのは名前と年齢それにレベルぐらいしかないことに気づいた。


 錬金術師としてあるいは薬師として人前で魔法を使って見せたのだから、他のスキルを全く見せないというのも問題だ。

 で、隠蔽を使って表向きのステータスを造り上げた。


名前:リューマ・アグティ

種族:ヒト族

年齢:17歳(23歳)

性別:男

職業:冒険者F

   錬金術師

   薬師

レベル    :25


 HP(生命力) :56

 MP(魔力) :53

 STR(筋力) :25

 DEX(器用さ)  :12

 VIT(丈夫さ、持久力):18

 INT(知性) :31

 MND(精神力)  :33

 LUK(運)  :5

 AGI(敏捷性) :15

 CHA(カリスマ、魅力):5



【スキル】

 剣術   :LV2

 生活魔法  :LV1

 鑑定術  :LV1

 エンチャント:LV1

 治癒魔法  :LV1


【魔法属性】

 火:LV1

 水:LV1

 木:LV1


 かなりの部分を削りあるいはその数値を小さくしたが、冒険者や錬金術師として今後も使いそうな部分を表向き説明できるようなモノに限定した。

 全体のレベルは今後冒険者のクラスが上がる際に調整の必要があるかもしれないが、基本のステータスは概ね三分の一から十分の一の数値に設定した。


 ユニークスキルは勿論完全隠蔽だし、魔法属性も最低限度のモノにしたが、それでも三つの属性持ちは極めて稀な存在なのだ。

 加護や称号は勿論完全に隠蔽だ。


 まぁ、低レベルの鑑定ならば弾くのだが、鑑定術LV3以上の持ち主には、この偽装ステータスが見えるようにした。

 その作業を終えてようやく俺は眠りについた。

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