第13話 ホロスコープ・スプレッドで占おう(実践編 前半)
時計盤のように配置したホロスコープ・スプレッドは「9」から反時計回りにめくっていく。
では一枚ずつカードを読み解き、俺の今月の運勢を占っていこう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【自身について:自分の置かれた立場や考え方、心理状態など】
=ペンタクルの2(逆位置)
「まずは自分の現状確認だよ。現状や気持ちがどこに向かっているかを暗示する」
「これからの運勢って言うより今の運勢ね」
「『ペンタクルの2』で逆位置……今は良くない状況なのかあ」
意味は現状に迷いがある、どっちつかず、落ち着いていない。
たしかに賞に応募するラノベのプロットは固まっていないし、迷っている最中だけど……それとも小説家一本で食べていく将来への迷いを暗示しているのか……?
「なに神妙な顔してるの。これは今の状態なんだからガッカリする必要ないでしょ」
それもそうか。大事なのはこれまでよりこれから、本番は次のカードだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【金銭運:経済状況・考え方・悩み・希望を暗示、所有物なども示す】
=ソードの7(正位置)
「意味はごまかし、裏切り、泥棒、盗難……」
「落ち込まないの。まだ何もされてないんだから」
「これからされるの!?」
出費が増える暗示なら気の持ちようだけど、カードが教えるのは奪われる予感。ありそうなところで言えば、口車に乗っていらない物を買ってしまうとか……他者が絡んでの散財は考えられる。
「金銭の類は肌身離さず持ち歩くことね。あとお金の話には惑わされないこと。暗示は確定事項じゃないんだから、注意すれば回避できるわ」
悪い結果は注意と捉えればいい。よい未来へ進むためにも真摯に受け止めよう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【国内旅行運・学業運:兄弟姉妹の関係、手が届く範囲の出来事】
=吊るされた男(逆位置)
「学業は義務教育までかな。旅行は近距離や短期間の範囲で教えてくれる。近しい交友関係も暗示する場所だね」
「そこに出たのが『吊るされた男』の逆位置」
意味はスランプ状態、努力の割に報われない、骨折り損。
「迷っている現状から変化ないのかな……がんばっても報われないの……?」
「それじゃ取らぬ狸の皮算用でしょうが。結果を想像する前にやることやるの」
ネガティブ思考はパフォーマンスの低下を招くわ、中途半端な努力じゃ結果につながらないってあんたも知ってるでしょ。
言葉は厳しいが、姉ちゃんは励ましてくれている。
今後の努力に差し障る暗示だけど……たしか『吊るされた男』の根底にあるのは「自分への挑戦」だと文献に書いてあった。目標が決まっている以上、くじけずに進むしかない。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【家庭運:家族など親密な人との関係、不動産、余生なども教えてくれる】
=ペンタクルのクイーン(逆位置)
「住居や家庭に関係する暗示ね。出たカードは『ペンタクルのクイーン』の逆位置」
「なんか逆位置ばっかり……」
ぼやいても仕方ないけどテンションは下がる。
意味は神経質、社会性を欠ける、自立できない、損得勘定で動くなど。これを家庭運にどう落とし込むかだ。
「単純に家の中でイライラすることがあるんじゃないの」
「どんなこと?」
「お母さんと金銭についてもめるとか」
姉ちゃんの何気ない予想に俺は納得する。
クイーンは大人の女性の象徴だ。家庭内で母親を当てはめるのは妥当な考え方だと思う。妙にしっくりする暗示になってしまった。
金銭運も悪い暗示だったし、お母さんとお金のことでもめないようにお金の管理はしっかりしなければ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【恋愛運・ギャンブル運:趣味やスポーツ、レジャーなど喜びを与えてくれるものと関係】
=ソードの4(逆位置)
「また逆位置だけど、このカードはポジティブな意味になるから嬉しいな」
「たしか意味は『休息の終わり』や『始動』だったかしら。恋愛運なら新たな出会いがある、ギャンブル運なら賭け事に興味が湧くってところ?」
「今は彼女が欲しいとか賭博に興じたいとかないから」
「淡泊ねぇ」
心配そうな目で見ないでくれ。俺は目標に向かってがんばってるんだから。
趣味とはちょっと違うが、これから休んでいた小説を書き始めるので、休息の終わりという暗示は正しいと思う。
もしもタロットが「就職せずに小説家で生きる」ことをギャンブルだと示唆しているのなら、臨むところだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【健康運:病気や怪我などを示す、その他に職場での日常やペットとの関係も示す】
=ワンドの6(正位置)
「特に説明はいらないね運勢だね。出たカードは『ワンドの6』。勝利、躍進、良い知らせが舞い込む。やっと前向きな暗示が出たよ」
「今月は怪我も病気もなさそうね」
「バイト先でも元気に働けるってところかな」
ポジティブなカードはリーディングしやすい。
この調子で次もいい運勢を暗示してほしい。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【結婚運・対人運:恋人、友達、仕事上のパートナーも含む】
カード=カップの3(逆位置)
ここでちょうど半分、時計盤でいえば「3」のカードをめくる。
「また逆位置……対人運で集団内のいさかいを暗示するカードが出るのはつらい」
「ほかには婚約破棄――はないとして、三角関係はどう? 知らずの間に友達の狙ってた女の子に好意を持たれるとか」
「そんなのドラマの中だけだよ。でも人間関係がこじれると厄介だし、角を立てないよう言葉に気をつけておくかな」
もしも付き合っている相手がいたら、要注意すべき暗示なんだろう。
自分の所属する集団でトラブルが起こる可能性も考えられる。温和な空気を保つように心がけよう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【財産運:生や死についても暗示する】
=ペンタクルの10(逆位置)
「財産は他人から譲り受ける金銭や資産、臨時収入を示す。遺されたものを引き継ぐところから、生や死が絡むと連想すると分かりやすいかな」
具体的には保険、遺言、遺産。誕生、復活、喪失などもキーワードにあげられる。
重い場所だ。悪いカードは避けたい。
「出たカードは『ペンタクルの10』で逆位置ね。意味は……退屈とか限界、日常に飽きているだったと思うけど」
「ペンタクル自体がお金をつかさどるスートだから、金銭面での暗示が強そう」
「現状が満たされていないから、満足を得るためにお金を使うって暗示じゃない? だから支出が増えるとか」
「収入って感じではなさそうだしね。お金を使って満足できるならいいけど」
必要経費なら散財もやむなし。だけど一時的な満足のためだけに出費をするなら注意したい。
※)タロット占いのスプレッドを確認したい方はこちらをご覧くださいませ
ブログ「やっぱりたけのこぐらし」:タロット占いのスプレッド紹介↓
https://takenokogurashi.com/tarot-spread
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