第三章 フルデッキで占ってみよう
第11話 用語をおさらいしよう【専門用語】
「いよいよ七十八枚すべて使った占いをやります」
タロットカードの勉強を始めて約三か月。ついに最終段階だ。
実戦が終わればカードの意味から使い方まで、一通りの流れを把握したことになる。技術面はさておいて修了と言っていい。
自信がつけばいよいよ賞に応募するラノベのプロット仕上げ&執筆開始だ。
ようやっとスタート地点から歩き出せる気がする。
「長いようであっという間だったわねー」
今日も食卓テーブルを挟んで目の前に姉ちゃんが座っている。俺が投げ出さずに勉強を続けられたのは、姉ちゃんがいたおかげだ。
「あれ、今日の夜食は?」
いつも何か食べながら話を聞いていたのに、今日は水しか置いてない。
「なんか食欲なくてね。こういう日は無理して食べないで、サプリメントで済ますことにしてるの。気にしないで」
そんな日があっただろうか……ちょっと心配だ。
「カードの枚数が多いと大変そうね。やっぱりやり方も複雑なの?」
「う、うん。大アルカナだけで占ったときは引いても三枚までだったし、単体の意味さえ知っていれば何となく読み取れた気がする」
一枚引いて今日の運勢を占うワンカード・オラクル。
選んだ二択の未来を占うツーカード・オラクル。
今の悩みを三枚のカードで整理して解決に導くスリーカード・オラクル。
いずれも初心者向けの簡単な占いだった。
だけど今日と明日でやってみるのは読み解く枚数も多く、カード同士の関連性もある程度考える本格的な占いだ。上手くいくか分からないけど、楽しみでもある。
「今回やってみるのは【ホロスコープ・スプレッド】と呼ばれる占い。一定期間内のの運勢や総合的な運勢を見るのに適しているんだ」
ホロスコープはもともと星座占いで使用する概念らしい。そっちに手を出すと別の勉強に首を突っ込んでしまので、今回は「そういうのがある」程度にとどめておく。
「スプレッドは『占い方法』とか『展開』って意味よね。そういえば昨日言ってた古デッキってどういう意味?」
「七十八枚全部使うから
「他にも専門用語があるなら先に教えてくれない。その方が説明もスムーズだし」
俺としては、難しい用語をかみ砕いて説明するのが丁寧だと思っていた。でも理解している相手にとっては、用語を使って話した方が円滑なのか。
「勉強の締めくくりなんだから、用語の知識も復習したほうがいいでしょ」
「たしかにそうだな。専門用語を使った方がカッコいいし」
そばに置いていたペンを持ち、占いに関わる用語をかき出した。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【タロット占いの用語①】
・占いを行う人間のこと=タロティスト
・占いのやり方、カードの広げ方、展開の仕方=スプレッド
・カードの意味を読み解くこと=リーディング
・占いを行う準備をすること(きれいにしてマットを敷くこと)=場を整える
・カードを混ぜること=シャッフル
・さらにカードがよく混ざるようにすること=カット
・カードを引く、選ぶこと=ドロー
・カードを決められた順番に並べて揃えること=ソーティング
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ついでに今まで出てきた言葉の専門用語も書いておこう。あえて使わないようにしていたけど、勉強の成果ということで一応。
【タロット占いの用語②】
・カードの持つ「火」「水」「風」「地」の性質=エレメント
・場面の描き方によって意味をほのめかすこと=
・直接表現ができない抽象的観念や概念(愛、平和、正義など)を視覚的なイメージに置き換えて描かれた絵柄=擬人像
・擬人像の表現にあたり「特定の約束事」に従った方法で描かれる付属物=アトリビュート
例えば正義の女神なら「天秤」「剣」「目隠し」など。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「こんなところかな。用語のおさらいも出来たところで、いよいよホロスコープ・スプレッドをやってみよう!」
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