ソードのクイーン
石の玉座に座る女王。カードは真っすぐ右から見た姿が描かれている。
開いた左手を空に向け、右手に握った剣を真っすぐに構える。
玉座には一羽の蝶と妖精が彫られている。
背景には青空と雲が広がる。
<正位置の意味>
厳格な人、自分にも他人にも厳しい人、洞察力のある人、意志の強い人
<逆位置の意味>
偏見を持っている人、強い八つ当たりをする人、批判的な人、攻撃的
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「正位置は職場の上司に向いている性格ね。相手のことを考えて叱り、自分にも厳しいから言葉に説得力がある」
こういう人が理想の上司ね、なんて言いながらプチトマトを食べる姉ちゃん。夜食がプチトマトだけってシュールな画だ……もうちょっとしっかり食べてほしい。
クイーンの知性ポイントは洞察力に割り振られている。
人の心を見抜き、深層に響き渡る発言は人心掌握に長けていると言うべきか。人間関係においては強力な武器だと思う。
「鋭い人間になりたいとは思うけど、具体的にどうすればいいのか分からないよね」
「生まれつきとか育った環境かしら。でも相手の立場になる思考を持てば、多少は近づくんじゃない? 仕事でもお客さんの目線に立つことは大切よ」
「小説でも読み手の意見は大事だしなあ」
ただ書くのも楽しいけど、お金を稼ぐなら「読みやすくて面白い」書き方をしないと賞は取れない。仕事にしたいと思う以上、独りよがりじゃダメってことだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
逆位置は批判的で攻撃的な暗示となる。過激な女王様だ。
「絵柄のモデルは『アーサー王物語』のグィネヴィア王妃。アーサー王の妻で、ソードの物語後半に出てきた女性がこのクイーンとも言われている」
「ベッドの上で絶望していた人でしょ。きっと『だから私は戦争に反対だったの!』『全部あいつのせい!』って王様を憎んでそう」
「かわいそうの一言しかいえないね」
「もしくは『これなら私が指揮をとった方がマシだったわ』なんて後悔してるとか。玉座で剣を構えているあたり、戦いの心得とかありそうだし」
その考えはなかった……。
「カードで右側って未来の方向でしょう。女王は先を見据えているということよね。行き当たりばったりの作戦なんて立てなさそう」
「独自の解釈するな姉ちゃん」
でも理屈は通っているように聞こえる。残念なのは自分の未来が見えなかったということ。ベッドで泣く将来が見えていれば、無理やりにでも運命を変えただろうに。
俺の書いた小説のせいで、最後に控える王様の立場はほとんどなくなってしまった。すまん。
※)タロットの絵柄を確認したい方はこちらをご覧くださいませ
↓ブログ「やっぱりたけのこぐらし」小アルカナ:ソードの絵柄紹介↓
https://takenokogurashi.com/tarot-arcana-sword
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