ワンドのクイーン
砂の大地で玉座に座る女王。右手には木の棒、左手にはヒマワリを持つ。
身体こそ正面を向いているが、顔は右上を見ている。
冠を被り、無地の黄色いローブに身を包む。足元には一匹の黒い猫。
玉座の背もたれやひじ掛け部分には獅子をモチーフにした装飾。
<正位置の意味>
「姉御肌」「キャリアウーマン」華やかで魅力的、勝気で面倒見がいい
<逆位置の意味>
「ヒステリック」「わがまま」自分勝手、口撃的、自分の思い通りにしたい
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「クイーンは各スートの性質から影響される暗示が多いみたい。『火』の性質で周りに影響を与えるというより、自分自身の内面に性質が加算されるっていう……」
クイーンのカードは説明が難しい。俺の頭ではこれが精いっぱいだ。
意味さえ覚えれば占いはできるが、成り立ちを理解したほうが応用は利く。基本は思考の
あとは巻き寿司をもしゃもしゃ食べている姉ちゃんの理解力に任せよう。
「女は内に秘め、男は外に表現するのと一緒ってことね」
「え、なにそれ?」
「性別としてそういう生き物だってこと。だから女は腕時計の盤面を内側に向け、男は外側に見せるらしいわ。関係あるかどうか知らないけど」
うーん、分かるような分からないような……。
コートカードの人物はみんな火属性のキャラクター。その中でもクイーンは特に火属性の影響が強い。ゲームで例えるならこんな感じだろうか。
ここで理解に苦しんでも仕方ない。先へ進もう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「正位置だとみんなを引っ張る姉御肌の女性。仕事はできるし明るいし面倒見はいいし、そのうえ魅力的と。ほぼ完ぺきなお姉さまだね」
クイーンは女性だけど性質の象徴なので、大体の場合は性別を考慮しなくていい。
「理想の凝縮ね。ドラマの世界にしかいないわよ、そんな
俺は結構好きな女優さんなので、ちょっとがっかりした。
「逆位置だとすごくわがままで、自分の思い通りにならないと気が済まない人。嫌いなやつにはバシバシ悪口言いまくる、まさに女王気質を暗示する」
「会社で言えばお局様かしら。こっちはたくさんいる」
「テレビの中だけじゃないんだな……」
辛辣なコメントを聞いて嫌気がさしてしまう。善を幻想として悪を常とするなんて、人の社会はかくも悲しい。やっぱりドラマは架空の世界なのか。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「絵柄の装飾だけれど、ひまわりは活力とか明るさのイメージ。これは『太陽』の大アルカナと同じだな。獅子の装飾やローブの金色も、同じく太陽を表している」
「いままでトカゲばっかりだったのに、なんで黒猫なの?」
クイーンの足元には黒猫が座っている。
こいつは魔女の使い魔みたいに、主人を護るマスコットではない。
「これもちょっと難しいんだけど、猫は世界意思の象徴なんだって。自分の人生が好きで喜びながら生きる人には、世界も守護を授けるんだって。その自然界からの応えを表すのが黒猫なんだって」
「……自分の人生に喜びを感じてる人っているの?」
「そこなの!?」
「自分の人生最高ですって言う人、結婚式の前後でしか見なくない? 普通に働いていてそんなこと話す同僚がいたら、一刻も早く仕事辞めてハワイに行けってアドバイスするけど」
そうか分かった。クイーンはみんなが心で願う理想像を提示してくれるんだ。
※)タロットの絵柄を確認したい方はこちらをご覧くださいませ
↓ブログ「やっぱりたけのこぐらし」小アルカナ:ワンドの絵柄紹介↓
https://takenokogurashi.com/tarot-arcana-wand
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