ワンドの9
頭に包帯を巻いた男が立つ。一本の木の棒を支えにして、背後を見る。
男の後ろには八本の木の棒が垂直に立っている。
<絵柄のイメージ>
怪我をした男が木の棒を支えにしている
<正位置の意味>
「抵抗」「準備万端」「不屈」強い対抗、現状維持からの逆転狙い
<逆位置の意味>
「障害」「逆境」消耗戦、準備不足、良い結果に結びつかない抵抗
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【商人シーマの大陸繁盛記 第九話】
木材で作った急ごしらえの防衛柵を突破されたら、成す術はない。
シーマは満身創痍だが、その目は今もなお輝きを放っている。
劣勢の持久戦と状況は好ましくない、だが逆転の可能性はある。
今は現状維持と機が熟すのを待つ。窮鼠は猫を噛むのだ。
激しい消耗は精神を蝕む。握りしめる棒の先が震える。
故郷から迎えの船が到着するまであと少し。それまでは堪えなければ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
姉ちゃんはプリッツをカリカリかじっている。
最近木の棒ばかり見ているせいか、ワンドにしか見えない。
「たしか国民の反感を買って追い込まれたんだっけ。それで籠城しているわけね」
「パッと見はね。でも絵柄のとおり、木の棒を適当に立てただけじゃ何の防御にもならない」
普通はどこかに身を隠すものだが、戦う姿勢を見せているのが立派だ。熱意や目的を捨てていない。一発逆転のチャンス狙いという意味が絵柄にも表れている。
「上下どっちの位置にしても劣勢を暗示しているんだけど、正位置の場合は背水の陣で戦えば可能性はゼロじゃない。希望はあるかな」
「つらくても現状維持を貫く意味を感じられるのね」
ただし追い風に上手く乗るためのタイミングは重要だ。気は抜けない。
「一方、逆位置は頑張ってもジリ貧で結果には結びつかないという暗示」
「早々に現状をたたむ方が良さそうね」
「軽率とか無防備とか準備不足なんて意味があるから、過去の行いが現状を招いているってことかも」
それを今さら指摘されても困るけど。
今回の失敗を教訓にして次の成功に生かす。そんなポジティブな捉え方をすればいいだろう。未来がないとは言っていないので前進はできる。
※)タロットの絵柄を確認したい方はこちらをご覧くださいませ
↓ブログ「やっぱりたけのこぐらし」小アルカナ:ワンドの絵柄紹介↓
https://takenokogurashi.com/tarot-arcana-wand
※)「商人シーマの大陸繁盛記」の参考にさせていただいたサイトはこちら
↓++ヨウコのタロット占い++ 小アルカナの意味早見表・ワンド↓
http://www.3tail.net/tarot/card/wand.html
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