ワンドの5
大地に立つ五人の男。格好はバラバラだが、みんな一本の木の棒を持つ。
五人は規則性がなく混在していて、木の棒を構えている。
<絵柄のイメージ>
五人の男が争っている
<正位置の意味>
「闘争」「口論」「競争」
<逆位置の意味>
「争い」「内紛」無益な競争、納得のいかない結果、実りのない戦い
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【シーマの大陸繁盛記 第五話】
たどり着いた国は物々しい雰囲気を帯びていた。まもなく隣国との戦争が始まるらしい。
罵声とともに棍をぶつけあう若者たち。喧嘩ではなく、切磋琢磨しながら鍛錬を積んでいるらしい。争いに勝つための訓練だ。
一方で争いが利益を生まないこと、妥協案の模索を提示するものもいる。国内の意見は一枚岩ではない。実の伴わない闘争熱だけが独り歩きして、もはや制御不能な状態だ。
利益になる。
シーマの商売人としての勘が戦争への介入を促す。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「正位置の基本的な意味は『争い』だけど『仲間同士で励み合う』って意味もある……どっちなわけ?」
「どっちも、っていうしかないんだよなあ」
俺の返答を聞きながら、姉ちゃんは渋い顔をしながらイカの刺身を噛み切っている。もっと腹の膨れる総菜を買ってくればいいのに。
「占う内容によると思うんだ。戦いを想定して遊んでるって読み解き方もあるみたいだし。いずれにせよ『力のぶつかり合い』って要素は共通してる」
ぶつかり合いの方向性を対立と見るか、訓練と見るかが腕の見せ所だろう。
「絵柄の補足もしておくよ。今までのワンドのカードと違って、棒の向きはバラバラだ。これが争っているように見える理由だけど、意味としては方向性がない=力や意思が統一されていないことを暗示している」
揃っていたものがバラけたのか、統一性のないものを揃えようとしているのか。前提をどちらにするかで、また解釈が違ってくる。難しいカードだ。
「良くも悪くも他人との衝突を前提として、柔軟に意味を拾うのが最良かもしれないわね」
正位置も逆位置も争う意味を持つ。その中身を見極めるのが重要だ。
※)タロットの絵柄を確認したい方はこちらをご覧くださいませ
↓ブログ「やっぱりたけのこぐらし」小アルカナ:ワンドの絵柄紹介↓
https://takenokogurashi.com/tarot-arcana-wand
※)「商人シーマの大陸繁盛記」の参考にさせていただいたサイトはこちら
↓++ヨウコのタロット占い++ 小アルカナの意味早見表・ワンド↓
http://www.3tail.net/tarot/card/wand.html
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