「ラーメン」

  俺はラーメンが好きだ‼


 お一人様に優しいこと、何より金欠でもこの一杯だけで頑張る気力になること。

 これが最も重要だ。生きる糧といっても過言ではない。


 油たっぷりの豚骨醤油ベース。麺は中太、具材は分厚いチャーシュー、大量のもやし、ニンニクマシマシ。このシンプルさがたまらない。


 ラーメンを食べるときに飽きないように、途中で黒コショウをかける。味の変化は劇的で、濃いスープと麺にピリリと刺激が入り食が進む。



 俺のラーメンの話はこの辺りにして・・・

 娘と嫁を連れて行き着けのラーメン屋にきている。

 テーブルはカウンターのみ。学生の頃から通っている。この独特の雰囲気に慣れているのは俺だけ。嫁も連れてきたのは数得かぞえるほど。



 学生のころとは気にも留めなかったが、子供にこの強烈な刺激はきつい。

「やっぱり別の店にしよう」



「ここ?がいい!(^^)!」

 娘からだ。子供は親を観て育つ・・・

「ちょっと早すぎない」

 娘の優しい気遣いに反省し、暖簾のれんを上げ店に入る。



 ここの店は量がとにかく多い。学生向けのお店だから当然だ。ファミリーレストランやチェーン店のようなキッズメニューはない。本来ならマナー違反だが嫁の分から娘の分をよそっている。大将に渋々しぶしぶ許可をもらった。



 娘は黙々と食べていた……



 帰りに「おいしかったか」と聞くと「お父さんと一緒だったからね。」と笑った。

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