第三首 -參の句- 昔々の物語。
「”
短くも、わちしの精一杯の問いかけに、みさとは感嘆の声を漏らしただけで、彼の表情は、出逢ったときと同じように固まってしまっている。……返事は、すぐに、
「……みさとやい、わちしの
みさとは神妙な面持ちを少しばかり解くと、「わかった。」とだけ返してきた。
「うむ、誠、その心遣いや、ありがたきこと。」
……わちしは、これからみさとに、わちし自身のこの胸の内と、昔日の真実とのありのままを伝えることに、少なからず緊張を覚えながらも、しかしその前に、わちしの
「それはまだ、あのじじ様が、生きておられた、ときのこと────。」
///
今は昔、わちしは、
わちしのことを源氏様は、”
愛して、くださった。
なにものにも
……しかし、いと
────第参首 -
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