編集済
奏さんがイケメンでもう……(爆発)
その儚さは花のようでもあり、縁日の金魚のようでもあって。
終わりが来るなんて思いもしないくせにどこかで悟っていた。
鮮やかな色に彩られたフレーム。覗き込めば動き出すような。
彼と彼女はいつだって走り回っていたし、笑い合っていたし。
そういう、ありていに言って青春。
あんな別れ方をしてしまって、ああ、リリカさんはずっと失恋を忘れられなくなってしまうなあって思ったけれど、最後の最後、奏さんからの返信で彼女らの恋は綺麗に丁寧にパッケージングされた。
多分、ビビットカラーのピンクでハートマークが描いてあるジャケットなんかになっちゃって。ちょっとダサいかな。都会的じゃないかも。でもいいそれで。見えるから。どんな奥の方にしまっても。暗い部屋の片隅に置かれても。鮮やかに色めき立つ。青春の歌。未来の自分が膝を折っても立ち上がれますようにって、そういう祈りにも似た、歌。
たとえ終わりが来るとしても、永遠なんて無いと解っていても、二人で残したその思い出たちが全部今を、未来を支えるんだ。
断ち切れてなどいない。二人の愛は。リリカさんが努力と苦労を重ねて積み上げられるのは、二人の思い出という土台がしっかりしているからだ。重みでどんどん固くなっていく。いつかそれを絆と呼ぶ人が現れるかも知れない。その人が新しい恋人なのかも知れない。どうかそれでも、その思い出が愛であったと言うことを忘れないで欲しい。
そう言うメッセージを、本作からは感じ取りました。
咽返るほど芳醇な花の匂いがする。春風が草原の花々を撫でて吹き上がる。前髪を掠めて行く、花弁。
これがこの小説を読み終えたときの読後感です。
そういう麗らかで優しくて気持ち良くて清々しい、青い春を読ませて頂きました。
本当に、ありがとうございました!
作者からの返信
もうなんか、シーチさんのこのコメントが、この作品のCDジャケットのような気がしますよ。
深く物語を読み解いてくださって、こうまで言葉を尽くしてくださって、返信でお礼は言い尽くせません。
嬉しいです。ありがとうございました!
「骨とチョコレート」に星をいただきありがとうございました。
あれを読まれたことがはずかしいと思ってしまうほど、すばらしい作品です。
高校生の熱と夢とすこしの羞恥。みごとに表現されていて、自分の中にあるはるか遠くなってしまった高校生活を、色鮮やかに呼び覚まされました。
リリカに言いたい。高校生は大人じゃないよって。
夢にふたをして、利口ぶった大人にならないでね。
作者からの返信
こちらこそ、コメントとお星さまをありがとうございます。
お読みいただけたことがまず嬉しく、温かいお言葉に胸がじんとしました。
リリカに声をかけてくださってありがとうございます。とても、とても幸せです。
おおぉ。
短編のなかでここまで表現出来るなんて。
こんな短い時間なのに、バンドの他のメンバーにまで感情移入させられてしまいました。
送ったファンアートはこれから二人の物語にどう影響していくのか。
いや、影響がなかったとしても、それはそれでいいんでしょうね。
花と頭蓋とこの作品を読んで、すっかり夏野さんのファンになりましたよ。
これからも作品楽しみにしてますね!
作者からの返信
最後までお読みくださりありがとうございます!
お星さまも頂戴して、感謝しきりでございます。
他のメンバーのことも見てくださって、彼らのその後にも思いを馳せていただけて、本当に幸せです。
ありがとうございました! これからもご期待に添える物語を作るべく、頑張ってまいります!
顔とか声とかスタイルとかそんな外見じゃなく、彼は彼女の絵に、彼女は彼の音に、恋をしちゃったのかなぁなんて思いました。
鮮烈に躍る極彩色が白黒文字画面の向こうに見える気がして、一文一文を行きつ戻りつしながら読んでおりました(^^
たとえその恋が通過点で想い出がその時限りでも、記憶は魂の一部になって今を形作るのでしょうね。それぞれの未来に、光がありますように!
ありがとうございました!
作者からの返信
ありがとうございます!
その人が創り出すものに恋をしてしまう感覚は、確かに私も実感としてあります。言われて気づいたくらいですが……。
色を見ていただけてすごく嬉しいです。彼らの未来を願ってくださることも、すごく。
お読みくださり、言葉を寄せてくださり、本当にありがとうございます!
『花と頭蓋』の時もそうだったのですが、読了した時に、「すごい!」という言葉しか出てきませんでした。とても素敵な物語でした……!
軽音部の演奏を聞いたことがあるのですが、それを的確に美しく描写されていて、音と色が聞こえてきて見えてくるかのようでした。
二人が付き合って離れて……回想をはさみながら物語が終わっていく流れがとてもよかったです。
素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
いつもありがとうございます!
こちらこそ、嬉しいコメントと素敵なレビューをありがとうございます。
音が聞こえる描写ができたいたとすれば新しい境地のようで、なにか達成感を覚えます。私にとって描写はまず色で、次に触覚や味覚があらわれて、いまようやく聴覚をつかまえたのかもしれません。
本当に、ありがとうございました!
恋愛より青春が強く香る作品で、それが大きな魅力になっている気がしました。一万字弱という分量も絶妙ですね。
私はもともと青春ものってあまり好きじゃないんですが、結局書き方一つなんだなという気付きを得ました。思わず書き写したくなるような表現が随所に光り、その文章の魅力がジャンルに対する好き嫌いを大きく上回った感じです。
莉里花と奏の恋人期間については回想でまとめられているだけですが、これが不思議とあらすじ臭くなく、むしろ効果的。これは私もぜひ手に入れたい技です。
莉里花の内面が文学的に表現されているのは全体を通じてだと思いますが、私は二話目が特に好きです。一話目より大人で、三話目より子供で、危ういけれどしっとりした空気もあって……。
全体として、力がある、しっかりと伝わってくる作品でした。
歯磨き中になんか一話だけ読むかー、と開いたのがこの作品で、一話目の締めのうまさでついページをめくってしまった感じです。出会えてよかった。面白かったです!
作者からの返信
コメントとお星さま、さらにはツイッターでも触れてくださってありがとうございます!
物語に引き込めたということ、ジャンルの苦手をこえて好きになってくださったことがとても嬉しいです。
二話までは体験そのまま、三話で急に回想が主体になるので、ここで脱落されるかもしれないな、と危惧していたので安心しました。
あの回想は説明のようでいて描写より濃く、と意識しております。
恋を知って変わって、恋を自分で納得して、進路を決めて変わっていく莉里花の語りに着目してくださったのも、嬉しく。青春はきっと過渡期で、通り過ぎたあとにその人が定義されていくのかなと思います。
ほんとうに、ありがとうございました!
編集済
まずは執筆お疲れ様です!けいさんが目指していた漫画チックの小説というのは達成されているような気がします。今回、色(と音)が動きまくるのが印象的でしょうか。(そういう描写がない場合、私の寝不足です、すいません)
青春!音楽!音!色!美術! 高校のときにやるであろうモノコトをみんな内包して形にしていただいた気がします。
執筆していただいてありがとうございます!
作者からの返信
さっそく諸々ありがとうございます! ありがたい限りです……!
まさにそういう感じで(色と音を視覚的に展開する感じ)で書きました。あとは、語彙を漫画寄りにすることですね。花と頭蓋の主人公は文芸部出身なのでああいう言語センスなんですが、こちらは漫研という設定なので……。
正直、私もこういう青春がよかったです。地味だったので(笑)
こちらこそ、お読みくださいましてありがとうございました!
最終話、息をするのを忘れて読んでしまいました。
りりかちゃんの息苦しさと同化してる感じがしました。心情描写がやっぱり上手です。完全に同化してました。
『たとえもう道が交わらなくても、あたしの青春はきっと、君のものだったよ、奏。やっぱりなんか、悔しいけどさ』
って最後の言葉で、息を思いっきり吐き出しました。とらわれていた幻想がすうと溶けていくみたいでした。りりかちゃんもきっとそうだったんだろうなと。
奏の心情が全くわからないところがいいです。想像したくなっちゃいます。
奏は結局何を思っていたのか。でも、りりかちゃんの最後の感じからして、きっと奏もりりかちゃんのことを大切に思っていたんだろうなと感じられました。
切ないのに爽やかなで、不思議な感じがします。これがきっと青春なんだなぁ、なんて思いました。
素敵な物語をありがとうございました!長文失礼しました!
作者からの返信
ありがとうございます!
さっそく読んでいただけて、こんな素敵なコメントまで。
奏の心情は私にもよくわからないんですよ。でも、たぶん彼なりに大事にしていたのだと思います。
同化できるのは聖願さんの読み手力のおかげもあるかとは思います。何より、彼らを身近に感じていただけたことが嬉しいです。
ありがとうございました!
「花と頭蓋」を拝読した時も感じましたが、是非漫画で見てみたい話だなぁと思いました。
音と色の描写から常に躍動感が伝わり、まさしく青春の瑞々しさが溢れてました。
作者からの返信
ありがとうございます!
伝わったらいいなぁ、と思っていたことを感じていただけて、とても嬉しいです。漫画になってほしいと願いながら書きました。
お読みくださり、お星さまも頂きまして、本当にありがとうございました!