「固定観念から脱却せえや」

 やはり連日暑くて死にかける。中は冷房をガンガンにかけている一方で、外はクソ暑い。にも拘らず、雑草は成長を続けているあたり、もうここは人間の住むところでは無くなりかけているのだろう。

 今は地味に男女の垣根がなくなりつつあるせいか、楽しむものに差がなくなって来たと感じる。鬼滅の刃がいい例だろう。アレはもはや国民的アニメと言って差し支えない。

 それ以外にも、地味なところでしっかりと変化は起こっていた。恐竜のぬいぐるみである。

 最近よく目にするのが大きくて可愛らしい恐竜のぬいぐるみで、中にはパステルカラーのものもある(勘違いなのかは分からないがモササウルスがラインナップに混じっていることもあるし、古生物という括りだからか、無駄にカラフルな翼竜や魚竜もいた)。恐竜は沢山いる割に(たまご入り恐竜なるものまである)、単弓類とかはいないらしいが。インパクトがあるからだろうか(分かりやすい、興味を持ちやすいというのもありそうだ)。

 今はどうなのか知らないが、一昔前までは恐竜に興味を持つ女の子などいなかった。いや、いたのかもしれないが、少なくとも表沙汰にすることはしなかったようだ。ソレを言ったらクマのぬいぐるみもどうなんだ、という話ではあるが。

 恐竜もクマも、人間にとっては脅威となる存在であり、強力な捕食者であることは変わらない。というか、クマだって(デフォルメされているだけで)鋭い爪や牙を持っているではないか。両方とも危険な生き物なのに、差別される理由が分からない。

 世間のいう「普通」は、爪弾きにあった者にとっては苦痛を齎す。大多数の人はソレでよくても、一回でも疎まれた人はそのモヤモヤを(他人から認めて貰わない限り)一生背負い続けることになる。

 日本人はやたらと固定観念が好きなようで、小説の中でもテンプレ展開なるものが横行している。テンプレばかりでは面白味がないのに、みんながソレを好きになる。

 世の中には沢山のぬいぐるみがあるのに、恐竜のぬいぐるみが持て囃されることは少ない。獺やらうさぎやらはしっかり持て囃されているのに。ついでに描かれることも少ない。

 今はぬいぐるみのデザインも多様化しているから、声を大にして「私はこういうのが好きなんです」と言ってはどうだろうか。ダイレクトに言うのが難しいならSNSで思いっきり叫ぶのも手だ。

 ちなみに私の部屋には彼氏もとい相方からのプレゼントであるティラノサウルスのぬいぐるみがあるが、牙の部分はそこだけ固いフェルトだからか、当たるとちょっと痛い。

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