ただの景品なんかじゃない
毎日新聞(の読者投稿欄)に載ったことから調子に乗りまくった挙句、大学時代には文芸部に入ったという経歴の持ち主が私である。
世の中身の回りには強者ばかりで、私以下という人物は意外といない(相方はトロいが働く才能があるので尊敬に値する相手だ)。おまけに力も弱い(街頭で測ってくれた人の握力計によると平均を大きく下回る)。だから、癇癪もよく起こす(小鳥を飼うのはコレが理由でかなり不安だった。実際に小鳥を虐待する人の事例を調べ上げるレベルである)。
ただ、勘違いしないで欲しいのは私の暴力が向かうのは、私に害をなした人だけである(大抵返り討ちにされる)。
おまけに好きなものや得意なものは少ない。私を全肯定してくれる人はいるが、それでも足りないと感じるのだ。そんな私が現時点で唯一少しだけ輝いていた、高校三年生の時、とある本に出会った。
その本は『ドグラ・マグラ』。世間では、あまりに混迷極まる内容から「読むと発狂する」と言われているが、別に私は発狂しなかった。朝読書の時に主人公をドラクエ6のテリー(神谷浩史)に、モヨ子をまどマギのほむらちゃん(斎藤千和)に見立てて読んでいたからだろうか。ちなみに、この本は毎日新聞から送られてきた図書カードで買った。
そもそものきっかけは、とあるゲーム(18禁)でこの小説のことを知ったからである。そこから興味を持ち始めたから今の私があるといっていい。ただ、私はこの本を最後まで読んではいない。せいぜい主人公=呉一郎ではないことが分かったところまでである。
図書カードがなければ私はこの本に手を出そうとは思わなかった。というのも、当時の小遣いは月に三千円。魔神転生のコミックを(一月分の小遣いと引き換えに)Amazonで注文してもらったり、その他にも欲しいフィギュアなどはあったから、ドグラ・マグラを最優先にすることはとても出来なかった。
ちなみに件の18禁ゲームを知ったことをいとこに言ったら、かなり驚かれた。いや、驚く必要性あるのか?
だから図書カードにはかなり救われた。漫画を買う時にも世話になったし、ただの(未成年用の)景品として扱われるのはどうかと思う。
図書カードはどれも同じに見えるが、よく見ると綺麗な絵が入っていることもある。それ以前に気になったのは図書カードを売っている店があるということ。何処に陳列されているかは分からないのでもしかしたらレジに隠されているのかもしれない。
ドグラ・マグラ、皆様も一度お読みになってみては?
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