世の中沢山激レアさん

 「普通の人っていいな」と思うことがある。パラメーターの何もかもが普通な人に、私はなることができないからだ。普通の人なら選択肢が沢山あるし、友達だって多い。そんな人に私もなってみたかった。

 しかし、世の中にはたった一つの事柄が原因で「激レアさん」と見做される人もいる。その前に沢山経験値を積み重ねてきたからこそ、という場合もあれば、偶然がピタゴラスイッチの如く作用した結果そう呼ばれることもある。なら私にも激レアさんの素質がないのか、というとそうでもなかった。

 実は私自身、ある意味で激レアさんになる素質があると、相方に出会ってから気付かされた。というのも、昨日まで連日相方と遊び歩いていた(昼間限定。遊園地とか秋葉原とか)のだが、その中でもメガテン界隈ではかなり珍しいのだという。

 というのも、私はかっこいいキャラクターやかわいいキャラクターが大好きなのだが、メガテンにはかわいいキャラクターが殆どいない。あの萌え悪魔として有名なピクシーでさえも、私にはお姉さんにしか見えなかった。だからかっこいい悪魔が欲しかったのだが。

 出てきたのは、何故だかうねうねしていてキモい悪魔と周りに剣を浮かべた変なおっさんだけだった。エロい女悪魔も出てはきたが、彼女は人間に擬態出来ることを私は知っているので一応許容範囲内である。

 その他にも、UFOキャッチャーで大量のぬいぐるみを手に入れたり(最低でも100円から。モサさんは300円くらいだが、実をいうとコレはとある実験をしたことで手に入った。また、相方を生贄にして翼竜のぬいぐるみを手に入れたこともある)、酒代わりにぶどうジュースを飲んだりと、私にも激レアさんの素質はありそうな気がしなくもない。

 しかし、Twitterを見ると私以上に激レアな出来事が転がっていることがある。それは大抵の場合、怖いくらいにバズっている。

 私は珍しい出来事に遭遇したことはあまりなく、仮に遭遇していたとしてもなんらかの理由で撮り損ねることが多い。それに、悪目立ちは中学の時散々しているから、今更目立ちたくない。

 ネット全盛期なだけはあり、ちょっとしたことでギスギスしたり炎上することも珍しくはなくなったが、私は炎上したことがない(裏で炎上している可能性もあるが、そういう話も聞かない)。あと、私の周りにはそこそこのレアさんはたまにいるし、私も恐らくそのうちの一人になるのだろう。

 ところで、フィギュアを買いに川越に行く私は激レアさんなのだろうか。

 

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