悪いことは重なるものである

 日付が変わる少し前の時間帯に、お腹が空いていたので親子丼(玉ねぎ抜き)を作ったのだが、合わせ調味料(醤油プラスみりんプラス砂糖)を入れるタイミングが悪かったのか、鶏肉の表面だけ焦げて中は生焼けになっていた(ついでに味もそこまで染み込んでいなかった)そのことに気づいたのは二口目を口にした後であり、もう少し遅ければ大変なことになっていただろう(鶏肉そのものは冷凍保存していたとはいえ、大分古くなっていた)。気づいた分はたまごとご飯を食べた後に、電子レンジで温めたが。

 そのせいかいつもより体調が優れず、相方との約束も次の日に回すことになってしまった。昼くらいまで起きるつもりはなかったのだが、目が覚めてしまったのでYoutubeで動画を見たり、ゲームの続きをしていた。その代わり、ゲーム(マギレコ)はきつかったが(何度もゲームオーバーしてやっと勝てた)。

 昼間から夕方にかけて少し体調が良くなったので、ポップンをしにゲーセンへ出かけた。しかし、食中毒への不安に苛まれながらプレイしたこともあり、200円かけて好きな曲(辞世テンプレート)をようやくフルコンボ出来た、というレベルである。Aランクとはいえ8が3つも並んでいるし、フルコンボしたので写真に収めようとしたのだが、肝心のケータイが上着のポケットにもリュックの中にもない。ゲーセンの人にも聞いたが、ないという。結局その日はフルコンボを写真に収められず、ただでさえ食中毒でヤケクソになっていた私のストレスがまた溜まることになった。

 今日はこれ以上ポップンを続けたらフルコンボの写真を収められないだろう、と思ったので結局一度家に帰ることに。自転車のスピードを上げつつ、いつもの道を駆け抜け庭に自転車を停める。

 玄関のドアを開け、二階へ向かい自室のドアを開けると、机の上には私のケータイが置かれていた。なんだよ、ここにあったのかよ‼︎と思うと同時に、やるせなさが一気に襲ってきた。自分は何故いつもこうなのだろう。忘れ物を繰り返したり、時間が守れなかったり、大人しくしていることが出来ない。それに、物事を失敗しやすい。世界が自分に対してとても優しくなればこんな風にはならないのに。

 失敗は大嫌いだ。いっそのこと失敗という言葉さえ無くなればいい。失敗を咎めるどころか、何も言わないか耳障りのいい言葉以外言わない人がいればいいのに。

 一瞬でも苦しむのは嫌だし、使いたくない言葉も多い。だからせめて空想の中では楽しいままでいたい。

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