「毒にも薬にもならない」と彼は笑った

 昔々(中学生)の時くらいから、子ども達の間では東方プロジェクトがよく知られていたと私は思う。少なくとも、中学時代はレミリアや咲夜、パルスィを描いている子を見かけた。その時は全く興味を持たなかったが、「bad apple‼︎」を聴き始めた時から東方に興味を持ち始めた私は、他の東方楽曲にも興味を持ち始め(主に幽閉サテライト、たまに豚乙女)、高校に上がった頃にはカラオケで歌うようになった。

 そこから私の東方ライフが始まったのだが、今でもキャラは描かない。アクキーやフィギュアを沢山持っていてもそれは変わらない(別の企画を考えてはいるが)。というのも、東方のキャラは立体化したものを手に入れられる機会が少ないのと、東方で得た知識やアレンジ楽曲を意識した作品を(東方ではないコンテンツ)で描きたいと思っているからである。グッズは積極的に(むしろやりすぎかもしれない)手に入れに行っているが、その殆どが資料と化している。パーツ単位(オッドアイの色合いや、髪型のパターンなど)で元ネタにしたいので、「気に入ったところが一つあればすぐに買う」というのが私のモットーだ。仕事帰りに時間が空けば行ける範囲で行っていた。在庫が入荷すれば血眼で探しに行くレベルであるが、私の好きなキャラは僥倖と言ってしまえるような出来事を経て手元に来た。

 相方は、「あなたに出逢ってから人生が変わった」という。というのも、今の今まで二次創作に触れた事がなかった(それだけではないが)ようで、私がノートに書いた二次創作小説(メガテンの)を読んだことがきっかけで、彼は二次創作に(消極的だが。現に、元カレが書いた小説は「読むのが苦痛」だとも言っていた)触れるようになった。しかし、私の小説以外は酷評することも少なくない。

 八王子に二人でブックオフ巡りしに行った時のことだった。丁度、フィギュアのコーナーを見ていた時に、私が問うた。

「(小野塚小町を見て)この子が出てたんですか?」

「ん、出てないかな……。アリスとか妖夢とか、霊夢がいたかな。ホントね、毒にも薬にもならないような。平和な日常を描いたものでね。あなたの作品の方が面白いよ」

彼はそう言って笑った。

 世の中に出回っている二次創作の殆どは、何かのパロディ(時々際どいエロも入っている)が多い。私もソレ(ニコニコ動画にあるやつ)に憧れて二次創作を始めたのだが、憧れの境地には未だ達していない。にもかかわらず読んでくれる相方には感謝している。ありがとう!

 

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