灯台元は暗いのさ

 日常生活で当たり前のことは沢山ある。日々当たり前が増えていって、私はソレに着いていくだけでも精一杯だ。環境の変化に慣れるには時間がかかり、今だって風呂が壊れた後のサイクルに慣れる途中。昔は思いもしなかった。おしゃれな固定式シャワーに憧れていたのに、こんなにも自由に動かせる、ホース式のシャワーに有り難みを感じるなんて。

 このご時世、新型コロナが流行っているせいで外出時はマスクをつけている。しかし、皆が一様に同じような不織布のマスクをつけているから気づかなかったことがあった。

 家に帰ると、母が大きなくしゃみを何回も繰り返していた。音から分かる。これは鼻水が出まくって、止まらないくしゃみに苦しめられるサインなのだと。最悪、マスクをつけていたとしても回数の多さが原因で喉から血が出ることがある。つまりは花粉症だ。まだ二月、冬だというのに花粉症なんて、と思ったが、母曰く早い時は一月ですらくしゃみが止まらないという。なんだか梅の開花時期に似ているがあんまり嬉しくない。どうも、日常的にマスクをつけて外出していることで、花粉が知らぬ間にブロックされているようだった。全く気づかなかった。というのも、まだ寒いし緑が芽吹くような季節でもないから。しかし、気付かないことの恐ろしさはこんなモンじゃ終わらない。

 私は昔から絵を描くのが大好きだったから、二歳の時から好きなように絵を描いていた。しかし、大きくなるにつれて周りの子たちは皆カッコいいマンガのような絵を描くようになった。普通ならここで限界の壁にぶち当たってもいいものだが、私はそれでも諦めなかった。否諦めたくなかったのだ。諦めたら何が残るか想像したくなかったから。実行しようとすればひどく面倒くさくなるようなモノ以外残っていない今、私は何を目指せばいいのか。

 逆に、気付かないコンテンツは悪いことだけではなく、もう少し早くに気付いておけばよかったパターンもある(仮に気付かれたとしても上手く使えたかどうかは微妙だが)。私の小説は一言でいうと「生々しい」ようで、まるでそこにいるかのような気分にさせてくれるくれという。

 いや、そんなつもりないから‼︎師匠に「面倒くさがらずに書けば良いものが出来るから」って言われて実行してるだけだから‼︎ばっかじゃないの?思いつく限りの単語並べてるだけなんですけど‼︎その為に色々調べものとかしてないから!勘違いしないでくれるかなあ……(以下筆者の叫びが一万文字以上続く)。

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