意外と気にする人は少ないのかもしれない話

 北海道より幾らかマシとはいえ、空気の乾燥は空咳にあかぎれなどのマイナス要素を引き起こす一因となる。水は冷たく、湯が恋しくなるし外にはあまり出たくない。かわいい上着とポンポンのついた帽子(耳当ての方がマシだ)を被っていても、寒いのは変わらず。そんなおもちが美味しい冬の折、私は新宿へ向かっていた。

 目的地はマルイの中にある駿河屋で、秘境という訳でもないがオタクの聖地である。そこに魔理沙のフィギュアが売っているというのでやってきた(思ったより安く買えた)のだが、ふとアウトレットのコーナーを見てみると、プリキュアの缶が目についた。簡単に包装されたソレを振ってみると案の定中身は空だったが、フタの仕組みがオシャレな台所にあるキャニスターに似ていたので、東方プロジェクトのフィギュアを入れるためのケースとして買った(安かったというのもある)。ちなみに、底を見てみると元はチョコチップクッキーの缶だったらしく、ちゃんと材質の欄に「スチール」と書いてあった。

 小さい頃はディズニーやらお菓子の缶やらなんやらが小物入れとしてあったこともあり、妙な懐かしさを覚える。もう捨てられてしまったけれど、その中におもちゃを入れていたことはよく覚えていた。

 缶にはアルミとスチール(ブリキ)の二種類があるが、食べ物の缶は大体がスチールだと認識している。意外と凹みやすい、磁石がくっつかない方はそこまで丈夫でもない割に、魚の缶詰に使われていたので、「なんか変だ」と思った。というのも、缶詰はいざという時のために、何年も保存出来るように作られている筈なのだ。ここまで凹みやすい代物で大丈夫なのだろうか。ビールやジュースではないのに。すぐに飲み食いするならまだしも。

 地味にスチール缶はリサイクルされているようだが、プーさんの缶を捨てたとしてもまた同じ形になるのだろうか。寧ろ、フルーツ缶やらなんやらになりそうな気がするのだが。それは置いといて、リサイクルショップに行くとたまーにあるお菓子の缶はリサイクルと言えるのか?気にする必要はなくても気にしてしまう。

 案外すごく寿命が長いのは粉ミルクの缶である。大事に使えば10年以上はもつし、リペイントなどを施して別のラベルを作って貼れば……。

 今は何も塗装がされていない缶も売られているが、一体何のためにあるのか分からない。せいぜいペン立てがいいところだろうか。フィギュアの台座にするのもいいかもしれないが、割とカッコ悪いという欠点があるのでおすすめはしたくない。

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