ぐにゃぐにゃしながらも

 今日はいつもと違う朝だった。スマホゲームのログインボーナスが残ったまま朝を迎えたからだ。ログインボーナスを全て消化してから、朝ごはん(パン3つ)を食べ、身支度をしてから家を出るとやはり寒かった。電車に乗り、2分遅れでタイムカードを切る(オンラインで切れる)。そこまではまだ良かったのだが……。

 まさか(55パーセントは自分のせいとはいえ)結果として残業するとは思わなかった(あまりにスケジュールが特殊過ぎたのもある)。業務が半ばに差し掛かった時にキレそうになるわ(上司に食事と休憩を勧められた程。結局、セブンで買ったおにぎり二つ食べてから再開)、スマホの充電が切れる(事務所の充電器を借りた)わ、最終的には体力不足でぼやくわ、最終的には自分の進路を問われるわ(いつかは来ただろう、ソレが思ってたより早く、少しアレな形で来ただけ)と碌なことがない。それだけ切羽詰まっていたのは確かだが、残業がここまでキツいとは思っていなかったのである。あれほど「残業したい」と言っていたのに、今は定時で帰れることの有り難みを僅かに知りつつある。そんな中でも、一つだけ少し嬉しかったのはちゃんと「頑張ったね」と上司に労ってもらったことだ。

「これくらいの事で」「言い過ぎだろう、遅刻したんだから、その分取り返すのが当たり前だ」と思いつつも、その優しさには素直に感謝した。本当に迷惑をかけて申し訳ない。

 寒くて昏くなりつつある帰り道、自分の将来についてほんの少し考えたが、MOS検定を受ける気持ちは変わらない(受けたい科目はExcelからWordに変わったが)。

 同時に、「普通になるのは難しい」「一生懸命着いてきて、こういう結果を招いてからやっと普通になることが出来る」「普通ってクソだな」とも思った。帰ってからモノに当たろうかとも考えたが、する気力も無くなりつつあったので、とっとと昼寝(夕方だが)しようかと思っていた。

 これでよく分かったが、私自身、普通の人には恐らく一生なれない。「努力が足りない」と言われるが、そこまで苦しみたくはないのに。楽しい人生を過ごしたいのに、邪魔が入ることがある(他人ならまだしも、家族にされると辛い)。

 ちなみに、帰ってからストーブをつけてしばらく経った後、ダンマクカグラでさとりちゃんの曲を初見でフルコンボしたのもあり、モノに当たる気はなくなった。尤も、気に入った曲調で余力が少し残っていた、というのもあるが。ぐにゃぐにゃしながらも、私はちゃんと生き続けている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る