真地獄黙示録 波及orリンク

 お堅いイメージのあるNHKの番組だが、BSプレミアムでは意外にも面白い内容のものをやっていることがあるのをご存知だろうか。ドキュメンタリーの中にも当たりは確かに存在し、楽しいと思えるものもある。映像の世紀はその中の一つで、悲惨な映像も含めて面白い内容である。このドキュメンタリー番組を知ったのは、大学一年の時。戦争と平和の歴史という講義を受けていた時に毎回教材として見せられたのだが、これが中々面白い。映像だから分かりやすいし、教科書に載ってないところも知ることが出来る。何気ないところも映像に残っているから、資料的な側面もあるというのがミソだ。

 そんな映像の世紀だが、BSでプレミアム版が放送されることになった(知ったのは大分後。10月くらいから)。昔の再放送でなくてもあの楽しかった頃の気分を味わえるなら、と今日もまた見てきた(鬼滅の刃と同じくらい遅刻しているが故に、マトモにオープニングを見たことはない)。勉強の為に見ているせいか、アニメやニュースとは違いペンやノートを用意する。小説のネタになるならば、と思いながら(ふざけながら書いている箇所があるので、第三者が見たら爆笑必至である)。

 いざ視聴してみると、何故かナチス率が高く変なところでリンクしている。意外な人物の裏側や、意外な結末などもあり期待以上の面白さだった。白黒の映像が多いが、たまにカラーも入るし臨場感もある(あんまり死体の映像は見たくない)。意外なことを学べることもあるが、興味のないところは流しながら見ている。また、回の最後には最近の映像もあるからだろうか。リアルタイムで、悲惨な出来事を見ているような気持ちにもなるのだ。

 決定的な瞬間を見ることは知的好奇心に繋がるものの、その瞬間に立ち会えたら、と思うことがある一方で私達は鈍い。どこかで事件が起きていても、テレビの撮影があっても。どこもかしこも入る隙がないならまだしも、地球の裏側で記録的猛暑やら経済危機が起きても私達は遠すぎる余り素通りする。人生とはそんなもので、結局ヒトが収められる写真の数は限られているのだ。

 日常風景は風化することなくそこにあるが、思い出を語る者は既に亡く淡々としたナレーションが全てを伝える(中には声付きもあるがごく僅かで、大半は手記やらその人の著書、その場に残された言葉以外知る手段はない)。だからだろうか、どことなく儚さを感じてしまうのだ。戦争は特に。映像が出来るのは伝えることだけだが、それは意味があるといえるだろうか。

 

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