ゲームオブ視線誘導

 昔々といっても、私がまだ学校を卒業していなかったくらい昔の話。私にとっては本当に昔だが、人によってはちょっとだけ前の話だった。私の思い違いだと信じたいのだが、近頃やたらとエロいフィギュアを街中で見かけるのだ。別に秋葉原や中古屋、中野などの魔窟ならいざ知らず、地元のゲーセンでもこんな調子だったのだ(プライズのラインナップがやたらシケているのもあって、ゲームそのものは新宿やら秋葉原でしているが。ちなみに府中のゲーセンが潰れる前はそこでもしていた)。場合によっては、ちびっこが遊びに行くようなところですらそういうものが目につくのは、怒りを通り越して呆れるばかり。「巨乳」で普通に可愛らしい服ならまだしも、胸をやたら強調していたりスカートやズボンの丈が短かったりと、私から見たら考えられない恰好をしている少女のフィギュアは、意図的にそう歪められたという意味ではある意味被害者とすら思えた。これについて、以前叔母に話を聞いたのだが、「男はそういうのが好きだから」としか返ってこなかったような気がする。私としてはやたら胸がでかくて強調するようなキャラクターは色々な意味で見苦しいので、かなり苦手なのだが。

 最近は、インターネットの広告でもいやらしい恰好の女性キャラクターが増えている気がする。限界ギリギリで服の意味すら成していないような代物を着ている女の子もいる辺り、ゲームの制作者は一体何を考えているのだろうと勘繰ってしまう。いや、コレはずーっと昔から可愛らしいドレスとか着ている女の子キャラばかり知っていて、ソレを描いてきた私がおかしいのだろうか。大人しめの服ばかり着てきた私の方がおかしいのだろうか(臑毛問題や、引っ掻き癖の問題もあるので脚が見せられない)。

 以前に、割といやらしい恰好のキャラを描いたがそれすらも「少年漫画だとしてももう少し胸の開きがある」と言われて終わりだった。私にはエロい女キャラは似合わないのかもしれない。叔母は「ソレでいい」と以前言っていたが、今でも心の奥底には燻っている。かっこよくてスタイリッシュなエロキャラには男女問わず惹かれるからだ。羨ましいし、妬ましい。

 純粋に可愛らしい(女の子や動物)キャラクターしか描けないのは、私にとってはデメリットだし、治したいとも思っている。その一方で、私の絵に癒されている人がいるのもまた事実だ。私の絵は何故か戦っているシーンがない。平和で静かな世界(最近はそうでもないが)を望んでいるからだろうか。

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