クズに対する処罰は何がいいか
小さい頃から私はずっと、目に見えてクズな奴に対する処罰は死刑だけでは生温いと思っていた。フィクション、実在問わずにそんな感じであり、悪人には罰を超えた何かが必要だと思っていたのだ。テレビのニュースで殺人事件を知った時、アニメの悪役が救いようのないクズだと知った時。そんな奴に必要なのは、何だろうと。
最適解ではないが、今のところ一番当てはまるのは人体実験ではないだろうか。これなら正当な理由も説得力もある。通じるのは一昔前か、物語の世界だけだろうけど。
一昔前、そう。近代に入ってからだが、ある人体実験が死刑囚を使って行われたのである。私が考えるよりは遥かに穏当かつ人道的なもの(それでも失明やてんかんのリスクはあった)ではあるが。とはいえ、この実験がなければ我々は今でもサナダムシ対策の方法が分からないままだっただろう。
19世紀のドイツのとある牢獄で、冷めたスープとソーセージ(ちなみに豚の体内には地味にサナダムシもいるらしい)らしき肉の塊が死刑囚(お偉いさんが許可したらしい)に与えられた。彼は翌日に?処刑され、その身は解剖されたという。裂かれたところ(かどうかは分からないが)からは、サナダムシが現れた。この時、解剖に立ち会った医学博士は確信した、「やはり、食事が原因か」と。実験の後、自ら協力を(少しだけでも待遇が良くなるなら、という条件で)志願する囚人も現れた。生ぬるーいミルクを飲まされた囚人達の大便からは、3ヶ月後にサナダムシらしきものが見つかった。だが、決定的な決め手となったのはサナダムシ入りソーセージを囚人に食べさせた後のことである。処刑された彼を博士がメスで裂くと、なんと、恐ろしく長ーいサナダムシが出てきた。この実験のおかげで食物(肉類など)は加熱した方が安全に食べられるということが証明されたのだ。
今の時代、クズでさえも人権侵害は許されないが、この時代はそれがしっかりまかり通っていたのだ。狂気の時代であると共に、比較的自由な時代でもあったのだろう(国によるけど)。ましてやそれを(間接的にだが)世の為人の為に役立てられたのだ、無理矢理な形でこそあるが死刑囚達も一ついいことをしたといえるだろう。
しかし、これはかなり疑問なのだが、何故フィクションの悪役は大抵クズを犠牲にしないのだろうか。類は友を呼ぶからだろうか?私はフィクションでも感情移入し過ぎるタイプであるから、クズを犠牲にするキャラはもうちょい増えて欲しい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます