意外とすごいひとたち

 地元の観光事務局でお客サマの案内をしている途中、パラリンピックの最新メダル情報が出てきた。また、チラッとだがとある競技の3位決定戦や、決勝戦(勝っても負けてもメダルがもらえる)を見せてもらったこともあった。そこで感じたのは、「この人達すごいよな、どうして世の中の人達は障がい者を馬鹿にするんだろう」ということ。完璧主義者はもとより、世の中には障害の有無に関わらず障がい者を避けている人が多いように感じるのだ。彼らは先天的(生まれつき)、後天的(後から)にかかわらず頑張っているのに。障がい者を日常で見かけることは少ないからだろうか(実際に、少し前までの日本では障がい者を閉じ込めて育てる、もしくは就学免除といったことが行われているケースがあった)。

 私が住んでいる街は、福祉制度などが充実しているのもあり、たまにだが障がい者を見かけることがあった。また、自転車で行ける距離には養護学校があったり、駅の近くに福祉施設があり、小さい頃は私もよくそこに行っていたからか、これが普通なのだと思っていた。今思えば私はあまりにも世界を知らなさ過ぎたのだろう、テレビに映ることを鵜呑みにし、自分の身の回りにあることだけを信じていたのだから。インターネットを始めてから、私の世界はぐっと広がった気がする。人伝で新しい情報を得たり、プロモーションなどで目に入ってくる情報があったり。

 私の友達には(目に見える)障がい者はいなかったが、高田馬場のネッコカフェに行った時に(目に見えない障害を持つ)友達が一気に増えた。上手く話せない人や、学校を卒業出来なかった人もいるようだが、私にはそうは見えなかったのだ。皆「ただの人」に見えていたからだろうか。けれども話を聞いてみると、私と同じような人や会社で働いている人もいるという。私はその時大学生だったのもあり、何となくすごい人だなと思っていた。

 趣味の世界にもすごい人はいる。障害の有無に関わらず、趣味の世界に生きている人は確かにいるから、「世の中の役に立つこと」一辺倒で尺度を測ってはいけないのだ。その道では有名な人は世の中を見渡せば結構いるが、教科書やウィキペディアに載っている人は少ない。ついでにいうと、趣味の世界に生きている人でもクセが強い人はいる。けれど、そこも魅力として見るなら世の中にはすごい人が沢山いるのだと私は思う。

 私の前では肩書きなど意味をなさない。私から見たその人の印象が全てだから。

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