アバター子の憂鬱

 昔、巷では沢山のオンラインゲームが流行ったというが今は見る影もなく、アバターという言葉も過去のものになりつつある。私は課金が必要なアバター付きのゲームはプレイしたことがあまりない(強いて言えばログレスくらいか。まどマギオンラインとメガテンイマジンは手を出す前にサービスが終了してしまったので手を出すことは出来なかった)。それ故に私は今でもアバターというものに憧れを抱いている。

 元カレはまどマギオンラインをプレイしたようだが、「何万課金しても欲しいやつが出なかった」だの、「悪徳営業」だのといった感じだったようだ。強い武器を手に入れる前提ならばそうなるのも仕方ないが、私はそれでも羨ましいと感じていた。

 私がアバターを作りたいと思ったのは、やはり空想を拡げる為。あとは、昔やっていたアニメの真似をしたかったからというのがあったから。自分の中の知識や記憶だけだとどうしても偏りがちになってしまうので、アバターとして具現化したものなら参考になるだろうと思ったのだ(絵を描けばいいというツッコミは野暮な!)しかし、(サービスが終わったゲームの)いざアバターを作ろうと頭の中で組み合わせても、私の脳はゲームのプログラムを超えたものでもあるせいか、資料さえ有ればとんでもない数の組み合わせが出来上がってしまう。その気になりさえすれば、沢山のオリジナルキャラが作れてしまうのだ。百や二百はくだらない、女の子キャラならば頭の中で練り合わせてそれ以上のものを作れる。もはやプログラムの中で決められたものだけでは、私の脳は満足しなくなっていたのだ。

 沢山のオリジナルキャラを描き続けたせいか、気づけばクロッキー帳がなくなりつつあった。服の見えないところまで描いてしまったのもあり、新しく購入する必要さえあったのだ。別にそれはいいのだが、みんなと同じことができないというのがとても悔しかった(仮にアバターを見せ合いっこしても、虚無感が残る可能性あり。というか、そんなことしても、絵が描けるからというのもあるが意味がないと感じている)。

 今、私は女の子キャラを着せ替えするゲームをプレイしている。沢山の髪型や服や靴、アクセサリーなどの中から気に入ったものを選んで完成というやつだ。コレについては何も不満はなく、資料としても充実した内容なので構わないのだが(目などは自分で空想できるというのも大きい)、やはりまどマギオンラインを一度でいいからプレイしてみたかった。

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