似てるから……?
私がデジモンと初めて会ったのは、おそらく小さい頃だったのだと思う。何かの景品としてもらったノートにデジモン(とその主の少年たち)が描かれていた罫線ノートだった。その時は知らなかったから大して気にも留めなかったが、高校二年生の十二月に意外な形で再会を果たし、そして本格的に(?)ハマることとなる。運命なのかは分からないけれど、とあるデジモンに惹かれたことを皮切りに私はデジモンの世界に足を踏み入れることになった。
その時私は大魔法峠という漫画に少しだけハマっていたのだが、ある時地元のゲームセンターに行くと、件の漫画に登場するマスコットに似たようなキャラクターのぬいぐるみがあったのだ。他のドラゴンだか恐竜だかには目もくれず、私はこの仔犬みたいなキャラクターにだけ狙いを定めた。しかし、その時は取れず、後日立川で再挑戦することになった。後に「トフィー」と名付けることになる、そのぬいぐるみを漸く手に入れたのは十二月のこと。立川のカラオケに行く道中、立ち寄ったゲームセンターで見つけたのだ。約二千円弱かけて手に入れた(少しだが、同行していた親友の手も借りた)それを大事に仕舞い、私と親友はその日カラオケを目いっぱい楽しんだのだった。
その後も、新しいシリーズが出る度にお小遣いをはたいて(時には中古屋で購入して)トフィーの仲間を増やしていった。皆、一様に可愛らしくお菓子の名前が付いている。というのも、調べたらデジモンには神魔の名前がダイレクトに付いているケースがあり、それが理由で一度は名付けを諦めかけていたのだ。しかし、私には通常なら明らかに思いつかないであろう凄まじい発想をすることで何とか乗り切ることができた。それは、「全てのデジモンにお菓子の名前を付ける」こと。足りないなら、フルーツや酒の名前だって付ける。お菓子につながるならば何でも良かった(一つでも新しい情報を得る度にアップデートされる)。キミには「ラム」、キミには「ショコラ」、そこのキミには「ソルベ」、そっちのキミには「フラン」(正式にはフランボワーズ)、といった具合に。一貫して名前を変えることはないので、進化しても同じ名前で呼ぶことになる。つまりはかっこよくなっても付けた時と同じ名前を呼ぶことになるので無理が生じるのだ(ビジュアル的な意味で)。私は大体のデジモンにどんな名前を付けたのか覚えているのでまだいいが、名前を付ける習慣がない人にとっては特異に映るだろう。
こうなった理由は、私がとある少女漫画の読者だったことによる。ちなみに、こんぺいとうだのだいふくだのポテチだのという名前はいないので悪しからず。
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