最高のお粥を求めて
最近ずっと天気が不安定で、それと関係しているのかは分からないが私はウイルス性の胃腸炎にかかってしまった。毎年この時期はほぼ確実にこうなるので、寝込むしかなくなる。加えて今現在は生理痛とのダブルパンチもあるので、後一週間ちょっとは様子見をした方が良さそうだ。そんな時に作るのがお粥である。たまごと顆粒ダシを入れ、細かく切った魚を入れて作るそれを作り始めたのはいつのことだっただろうか。始まりはとても些細なことだった筈なのだが。
きっかけは何でもない日に、インターネットで「かゆいうま」の項目を見たことだった。それだけなら、単にゲーム中のちょっと有名なファイルの中身を見たと言うだけの話なのだが、問題は、ダジャレなのか分からないのだが「コラボレストランではかゆいうまという名前のお粥が登場した」という記述。これに目をつけた私は、まるで何かに取り憑かれたかのようにして似たようなレシピを漁るようになった。時にはキノコ(ぶなしめじかえのきの二択)を入れてみたり、ただのお粥を作ったり。シャケを入れたらモロに失敗したりと色々なことがあった。結局のところはバリエーション豊か(とはいっても適当に作るだけだが)なお粥が作れるようになったというだけなのだが。
風邪を引いてみて分かったが、私は随分とこれに助けられているなと感じた。自力で作れる分、味を自分好みに調整できるし母に迷惑をかけなくていいというのは大きなメリットだった。たまに水の量を多くし過ぎてしまい、水っぽいお粥になったこともある。それでもお粥作りをマスターしたのは小さくとも要となる進歩だった。
しかし、お粥作りは慣れていないこともあり(基本的に米から作っているので)鍋が吹きこぼれることもザラにあった。それでも尚、胃の調子が悪い自分の為に私はお粥を作り続けた。
ここまでこだわる理由は、レトルトのお粥が嫌いであること、実験が大好きだからというものだった。何より、具をカスタマイズできてしまう。こんなに嬉しいことはない。出来ることが増えるという喜び、自分の思い通りに描いたものが作れるという喜びはそうそう味わえるものではなかったが、成長の足跡としてこれ以上のものはないだろう。
今日もまたお粥を作るのだが、魚の切り身を入れて食べようと思う。味がついて美味しいから。胃の調子が悪い時は食べられるものが少ないから、味のついたお粥は貴重なのだ。ちなみに、ネギは入れない派である。小さい頃のトラウマで未だに食べられないから。
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