　突然だが、私は「ヴァイス」というユーザーネームでシノアリスというソシャゲをプレイしている(元は「ジャック」だった)。大学に通っていた頃に始めたが、バトルやストーリーは二の次(イベントストーリーは除く)で、専らかわいらしくもどこか影のあるキャラクターや、魅力的な音楽、武器に込められた物語を目当てにプレイしていた(「ヴァイス」という名前だが、スノウホワイトは使っていない。使っているのは三匹の子豚か人魚姫であることが殆ど)。武器物語というのは斬新で、今までにプレイしたどのゲームにもなかったがコレがまたえげつない(だがそこがいい)。最初こそ理解し切れなかったものの、次第に内容を理解していき今では心に馴染むようになった。男性キャラが少ないものの、元々ダークメルヘンが好きな私にはうってつけのゲーム。何か嫌なことがあった時、憂さ晴らし(理由は大体好きな曲がフルコンボ出来なかったこと)にこのゲームをプレイするのも今では日常茶飯事になった。

　ユーザーネームは当然私の趣味(音ゲーでよく使っているキャラから)なのだが、このゲームの中では少々地味なようである。寧ろキラキラネームレベルのインパクトある名前の人やギルドがひしめく中で、私は取り立てて強くもないしフレンドも少ない目立たない存在である。その上、そこまで一生懸命という訳でもない。あくまで、シノアリスというゲームは私にとって、空想のネタといったところか。

　それに、あのホーム画面の哀しくも優しい曲を聴いていると癒されるのだ。家では居場所がない自分が、ここにいてもいいと思えるくらいに。けれど、そんなシノアリスにも少し限界を感じている。というのも武器の数が多すぎるし、インフレしているのだ。その上目当てのジョブは中々出てこない。どのソシャゲにもありがちなことだが、ガチャの当たり武器やキャラを増やしまくると沢山ありすぎて集めるのが大変なのである。天井がついているゲームならまだしも、ついていないゲームは「10万出しても出てこない」というから恐ろしい。ついていても、結局は目当てのキャラが出なくてガッカリしたことは何度もあった。

　それでも私はお手軽なウツを求めてシノアリスをプレイし続ける。明るいゲームもいいが、沈んでいく程に暗いゲームも私は好きだ。沼に嵌っているといってもいい。複雑な手順を要求されず、タップするだけで楽しい世界に行けるのだ。これ程お手軽にウツが楽しめるゲームは他にないと思っている。