恵まれているのかどうか分からない

 意外にも、東京に住んでいる人は恵まれていると思われるらしい。というのも、田舎では車が必要で、電車に乗るにも最寄駅まで一時間越えというのもザラだからだ。私が住んでいるところは家の近くに店が普通にあるが、この近くという基準が実は未だに分からない。歩いて10分以内なのか、もしくはその半分なのか。この両方とも当てはまるのなら、私は確かに「恵まれている」のだろう。

 私の住んでいる場所は恐ろしく古いが、立地は世間から見て案外恵まれているようで(「いいところに住んでるね」とのこと)、私にはピンと来なかったがどうも田舎暮らしは大変らしい。ついでに、今現在緊急事態宣言が出ているが、遊びに行きたければ自転車に乗って、隣の駅前にあるゲーセンに行くことも出来る。それ以外にも、隣の駅前には文房具屋さんやら何やらもある。

 しかし、恵まれている場所に住んでいると別の意味で不便が生じる。というのも、サイクリングは出来ないし(一応出来るが場所は限られる)、車線が狭いのだ。サイクリングが出来ないというのは、死活問題で好きに動き回れない。私は縦横無尽に(時には東奔西走?)動き回るのが大好きなので、これが出来ないのは大きなデメリットといえる。それなら森林公園に行けばいい?それもいいが、私は道や街の景色を楽しみ、色々なものが見たいのだ。それこそ、自転車でしか行けないようなお店があれはそこに行きたい。いくつか見つけているが、まだまだ数はあるだろう。

 それに、現在ではネットショッピングで何でも手に入ることもあり、便利なところにいるメリットは薄いと感じる。むしろ便利なところほど空気が悪く、人通りも多い。安全ではあるのだろうが、私はやはり静かに暮らしたいと思っている。

 野生動物に出会えないというのも問題である。休日に写真を撮る楽しみがなくなってしまう(とはいっても写真を撮るのは下手なのだが)。自然がないと、リフレッシュしづらいとも感じる。

 それでも尚、都会は便利なところだからと都会に憧れて引っ越してくる人は絶えない。家賃は高いし、満員電車にすし詰めで乗ることになっても人は便利なところに住みたがる。会社の多くは都会にあるし、住まば都ともいうからだろうか。現に田舎には職がないからというのもあり、人口流出が絶えない(廃墟化した集落もあるらしい)。多くの人がそう思っているのとは裏腹に、私は田舎に住んでみたいと思っている。今ある便利な生活を手放しても、田舎暮らしは一生に一度はしてみたい。それくらいのビッグチャレンジなのだ。

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