ミニタバスコチャレンジ(辛さの哲学)

 最近知ったことだが、(温かいごはんの上に醤油をかけると醤油の香りがよくわかるのと同じように)ベイクドポテトの上にタバスコをかけると辛さとすっぱさがよく分かるようだ。私の舌でパーセンテージを算出してみたが(目分量みたいなものだからそこまでアテにならないが)、辛さが80パーセント、すっぱさが20パーセントである。食べているうちに体が火照ってしまう上に、あまりかけすぎると甘いものが無性に食べたくなってしまうという欠点(ある意味メリット?)があるが。

 辛いと同時にビネガーのすっぱさが味わえるタバスコは手軽に食べ物を辛く出来るとして、多くの人々に親しまれてきた。が、この広い世の中にはタバスコを遥かに凌駕したトンデモホットソースがあるというのだ(母曰く「食べ物じゃない」)。その名もデスソースというらしい。このソースが原因で死者が出たらしいが、ここまで来ると最早食品を通り越して兵器である(食べたことはないが)。

 そもそも、辛味を感じる理由は舌への刺激であるが、死を賭してまで人は辛さを求めるものだろうか。兵器レベルの調味料が市販されているところを見るに、舌で絶叫マシンのような感覚を味わいたいのかもしれない。

 ちなみに、タバスコの本家であるアメリカでは、肉にかけるソースとしてタバスコを使っているようであるが、日本ではミートソースやピザにかける使い方が定番である。なぜ使い方に差があるのかは分からないが、一ついえるのは脂っこいものに使われているということ。タバスコには酢が入っているので、これが味をちょうど良くし、ついでに肉を柔らかくしてくれるのかもしれない。

 今日は今日とて、明太子スパゲッティ(バターのおかげで辛いのにまろやか)にタバスコをかけてみた。すると、辛さは従来の二倍に。すっぱさが少しプラスされいい味になった。例のごとく体はしっかり火照り、口の中はバーナーで炙られたような感じだったが。辛さとしては食べられない訳ではなく、火事を治すために甘栗を食べたが一袋食べただけでいつの間にか治ってしまった。辛味がほんのちょっとでも残っていれば追加でどら焼きも食べようと思っていたので、これはちょっと残念である。とはいえ、これである程度は辛味が相殺できる目安が分かったし、何より普通に辛い料理は美味しい。

 マニアの舌を楽しませるデスソースの域には達していないものの、家で手軽にタバスコチャレンジはできる。一見下らないチャレンジだが、私はこのチャレンジで辛さの哲学に一歩だけ近づいた気がする。

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