学園一の美少女の秋月さんは趣味で小説投稿サイトに作品を投稿する底辺作家。一方、平凡男子の神代くんはプロ級の腕前のイラストレーター。
お互いに接点のなかった二人だが、神代くんが秋月さんの小説にファンアートを贈ったことから始まる、創作を通じた二人の交流が微笑ましかったです。
秋月さんの小説は人気がない。小説を書いていることを周囲に秘密にしている秋月さんの頼みで彼女の相談相手になった神代くんだが、なかなかに容赦ない。
ありていに言ってネタは既存作のパクリだらけ。ストーリーもどこか既視感がある展開ばかり。オリジナリティが感じられない。ビシバシ厳しい意見や指摘を言うが、キャラクターだけはいいねと、長所をちゃんと褒めて認める評価の仕方をわかっている。
小説とイラスト、ものは違えど創作者同士で通じ合うこともある。急速に距離を縮めていく二人だが、共通の友人である咲間さんはそれが面白くなくて……、三角関係の勃発で二人の創作論だけじゃないラブコメがぐっと面白くなってきた!
ちなみに作者はこの作品を書きながら、同時に作品の挿絵も描いています。ひとつの作品にここまで熱量をこめられるのは素直に感服しました!
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)