第49話 第二章完結記念番外編SS とある腐女子の華麗なる日常
私のクラスに気になる男性がいる。好きとかそういう恋愛感情では無く、興味があると言った方が正しいかもしれない。
え? お前は誰かって? 自己紹介がまだだったわね。
私は
話を戻すけど二年C組には学園内でも有名な二人がいる。
学園一の美少女と呼ばれる秋月友火と、学園一イケメンと呼ばれる桐嶋凌の二人だ。
この二人は大人気で、昼休みにもなると二人の周りには学生の
去年も秋月さんとは同じクラスだったので、慣れてくればこの光景も大人気の二人の事だし、いつもの事だなと気にならなくなってくる。
だけど今年はいつもと違った。この二人の人集りに加えて、昼休みになるともう一つの集団が現れる。その集団の中心人物が、先ほど気になる男性がいるといった男子生徒だ。
名前は神代冬人、去年も同じクラスだったから当然彼の事は知っている。私と同じように大人しくて地味でモブキャラのイメージだった。一年の時は目立つ事も無く、昼休みも仲の良い男子生徒と普通に過ごしていた。
ところがどうだろう、二年生になった途端、彼の周りには男女の人集りが出来るほど人気者になっている。
一年生の時にクラスメイトだった咲間さん、それに下級生の可愛い女子生徒二人が昼休みになると、わざわざ神代くんに会いに来る。
秋月さんと桐嶋くんもその輪に加わる事も多く、彼と良く話しているのを見掛ける。
桐嶋くんと神代くんは人目を
桐嶋くんは多くの女子の告白を断っているというし、彼女がいるという噂も聞かない。もしかすると彼は、女性より男性の方が好きなのではないかという噂も……主に私が立ててます。
だって……桐嶋×神代のカップリングとか気になっちゃうじゃないですか! もちろん攻めは桐嶋くん、受けは神代くんの固定ですよ。ああ……月島くんも攻めに加えてサンドもありかなぁ……桐嶋くんが加わわった事により妄想が捗るわ。
私は一般的にいうところの、BL作品をこよなく愛する腐女子なんですけど、ナマモノでもイケるクチなので公式カップリングじゃ無くても、男子生徒がいる限り無限のカップリングを
そう……だから今は桐嶋×神代というカップリングが気になって仕方が無いのです。なので神代くんに群がる女子生徒は割と(性的に)どうでもいいのです。
◇ ◇ ◇
私は今、推しカプの同人誌を買いに休日の秋葉原に来ています。私は高校生なので成人向けの同人誌は買えないから、R15の同人誌で我慢してるの。ああ……早く高校卒業したいな……卒業して18歳になったらR18の同人誌をたくさん買うんだ。
私が秋葉原の駅の改札を抜けて電気街に向かって行く途中、そこで驚くべき光景を目の当たりにしました。
なんと……桐嶋くん、神代くん、秋月さん、そしてショートカットの一見美少女に見える男性、
――男の娘キター!
なんですか? この取り合わせは? この四人がどういう関係なのか凄く気になるので尾行する事にしました。
四人はコミックうまのあなに入っていきます。コッソリ後を付いていってみると……どうやらラノベを買いに来たようです。
――そこでは驚くべき光景が!
なんと神代くんと日向さんが腕を組んでるじゃないですか! このカップリングは……女体化の必要が無いではないですか! はぁはぁ……ちょっと興奮してきた……いや待って……神代くんも受けだし、日向さんも受けよね……ホモ百合キター! はぁはぁはぁ……砂を吐きそう……私、これ以上興奮したら身体が保たないわ。
ちょっと落ち着こう……そうなると桐嶋くんが攻めで、神代くんと日向さんは受けよね……秋月さんは多分ノーマルね。いったいどんなプレイを……想像したら鼻血出そうになった。
この後四人はラノベを買って店を出た後、数件お店を巡りカラオケボックスに入っていった。
この後、カラオケボックスの密室で四人はいったいどんなプレイをするんだろう……もはや私の想像の限界を超えていた。
残念だけど尾行は終わりを迎えた。桐嶋くんと秋月さんは意外な趣味持ちらしい事が分かった。でも……誰にだって人に言い難い秘密はあるわよね。これは私だけの秘密にしておこう……これから学校で
これからも神代くんとその一行からは目が離せない。
私を楽しませてくれる男子が同じクラスにいたなんて、これからが楽しみで仕方なかった。
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今回のSSはいかがだったでしょうか?
専門用語の説明です。
・サンド:受け一人に対して攻めが二人いることを指します
・ホモ百合:受け同士が愛し合うことを指します
・砂を吐く:攻めと受けがラブラブな様子を見た腐女子が、あまりの気恥ずかしさに悶えて何かを吐き出す様を指す言葉です
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