初恋

mamechan

第1話


あなたside






今日は高校の卒業式。




先輩たちを見送り泣いている奴ら。




バカみたい…。





あー、早く終わらないかな。






式が終わりとりあえずクラスへ戻る。





ホームルームも終わり下校の時間。





外に出ると、卒業生たちはまだたくさんいて泣きながら抱き合ったり、写真を撮ったりしていた。





そんな人たちを横目に足早に帰ろうとした時、






男「あの、安藤さん!

ちょっと良いですか?」




「はい、どうしました?」





睨みつけるわけにもいかず声を掛けてきた卒業生の後を付いていく。




体育館裏…。





卒業生のその男はガチガチに緊張していて全く話が進まない。





早く帰りたいんだけどなぁ。




「あの…何か用ですか?」




男「あ、あの…俺、ずっと安藤さんの事好きでした。今日で会えるの最後だから…想いを伝えたくて。」






可哀想に。

緊張して。




「ありがとうございます。

でも、私今付き合ってる人いるから…。」




男「う、嘘だ!俺ずっと安藤さんの事みてたけど男の影なんて全く無かった!」





「相手は大人だから…夜しか会わないし。」





男「嘘だ絶対。」





なんだコイツ…。





「とにかくお付き合いは出来ません。

じゃあ、失礼します。」





ごちゃごちゃ何か言ってるけど無視して来てしまった。






女「……好きです。」



おっと!




帰ろうと体育館の裏から出ると、すぐ近くでも告白している人がいた。




なんだよ、ここから先に行けないじゃん。





男「ごめんなさい。俺付き合ってる人がいて。」





女「嘘!……って……」





うわぁ…泣いちゃった。







女の子が泣いて走って行ったから、私も足を進めた。






!?




そこには告白をされていた男がまだ立っていた。






お互いにビックリしたけど、







とりあえず軽く会釈だけして横を通り過ぎた。

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