第六章 十一月 その7※R-15要素あり

ドライヤーの熱が一ヶ所に集中しないように、何度もじっくり往復させ、十五分程が経過する。


ようやく彼女の髪が乾く。


女性はこんな所でも大変なんだ、と妙な感心をする。


全て乾いているか指で髪を梳かしながら確認する。


ふ、とリューリを見ると目を閉じて僕に身を委ねていた。


「終わったけど…寝ちゃった?」


「ううん。なんだか気持ち良くなって。頭を撫でられているみたい。凄く…上手だったわ。何て言うのかしら。…愛を感じたわ」


言いながら微笑むリューリ。


赤面する、僕。


それは確かにそうかもしれない。


髪を、頭を撫でながら彼女の事がいとおしくて、堪らなかったのだから。


「喜んでもらえて何より。もっと撫でていようか」


「是非、お願い」


今度は髪だけではなく、彼女の頭をゆっくり撫でていく。


時々彼女の頬やおでこも、その形を指でなぞるように優しく。


そのまま、彼女が満足してくれるまで。


いつでも僕は撫で続けた。




「…ありがとう。もういいわ」


リューリがゆっくり目を開ける。


「…私、幸せね。わへい、私をこんなに大事にしてくれるんだもの。ねぇ、同じように私の身体を触って…と言ったら触ってくれる?」


「……」


「…マッサージの時は遠慮なく触ってくれたのにね」


「あれは、また別で。治療の一環であって…」


「いいわ。じゃあキス、して」


彼女が立ち上りこちらに手を伸ばす。


何度か彼女とキスする内に僕も彼女の流儀に慣れてきていた。


彼女の腕を束縛しないよう、彼女の脇の下から抱き締める。


しかし、今日は…。


抱き締めた瞬間、彼女の胸が僕の胸にあたり、柔らかく潰れる。


僕の胸にリューリの胸の先端、突起の感触。


リューリが下着を身に付けていないことを…忘れていた。


身体を引こうとするが、当然彼女は僕を逃がさない。


僕は諦めて彼女の唇を奪う。


「歯を、磨いてくれたのね?」


すっ、と唇を離して彼女が囁ささやく。


こくこく、と頷くとリューリがまた僕の口内に舌を侵入させる。


そのまま歯や歯茎など舐められる。


「あなたという人は…」


潤んだ瞳。


「どうしてそんなに優しく、私を気遣うの」


リューリが僕の首に額を乗せる。


「そんなに気を遣われたら、優しくされたら、堪らなくなるじゃない…」


胸だけではなく、腰も押し付けられる。


彼女の下腹部、ハーフパンツとトランクス越しに何かを感じる。


…まるで、タワシのような、わしゃわしゃした感触。


それが何であるかを敢えて僕は考えない。


…考えたら、僕が抑えられなくなる。


「その気遣い、私だけにして」


僕の首筋に顔をぐりぐりと押し付けながら彼女が囁く。


僕が答えに困っていると。


「…無理よね。あなた皆に優しいから…。少しでいいから。少しだけでいいから、他の子達に冷たくして」


「…分かった」


「…あなたは、私のもの……ッ」


言い終わらない内にリューリが文字通り僕の首筋に噛りつく。


「…ッ!?リューリ!?」


痛みは無いが、しばらく彼女は僕の首から唇を離さない。


…やがて。


たっぷり時間を掛けて彼女が唇を離す。


「キスマーク…付けちゃった」


悪戯が見付かった子供のようにチロルと舌を出すリューリ。


僕からは見えないが、きっと内出血したあざが残っているのだろう。


そして僕のTシャツをずらし、見えている範囲手当たり次第にキスマークを付けていく。


僕はリューリに身を委ね、受け入れる。


しばらくそうしていた後。


「…あなたの…触っていい?」


おもむろにリューリが聞く。


…もう触っているじゃないか、とは思うが、恐らく彼女が聞いているのは、一般的な僕の身体を触りたいとかそんなことではないと気付く。


「…良いよ。リューリなら」


どう答えていいか分からずそう答える僕。


彼女の細い指が首の後ろから僕の胸をなぞり、やがて僕の下腹部へ。


スウェット越しに爪で僕自身をカリッとなぞる。


「ッ!?」


予期せぬ刺激にビクリと僕の身体が跳ねる。


それを満足気に目を細めて見つめるリューリ。


そのまましばらく弄んだ後。


リューリの細い指が直接、僕自身を包み込み。


勘の良い彼女はすぐに僕の感じるポイントを把握し。


僕は膝を折る。






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