第49話 ニンニク食べた後はブレスケア必須


 遂にこの時が来た。

東大受験試験会場の席に着き、田中は大きく深呼吸をする。

泣いても笑ってもこれで最後の試験。

全力を尽くす!!


鈴木「おい。試験前から深呼吸すんなよ。ニンニクくせえ臭いが俺んところにも来るだろう。」


田中の隣の席に座っていた鈴木は、鼻で笑って来た。その態度を見て、田中は鈴木を睨みつける。


田中「は?ニンニクなんか食ってねえよ。勉強のやり過ぎで鼻壊れてんじゃねえの?あ!マシーンだからそもそも鼻ねえか!ごめんごめん。多分、オイル漏れだよそれ」


鈴木「ああ!?東大受験で勉強やり過ぎんのは当たり前だろ?そうゆうお前は、あのバカ教授に国語で重要な『こ・と・ば・づ・か・い』を教わってねえのか?かわいそう」


田中「おい!どこのクリステルだよ。『お・も・て・な・し』のパクリだとしたらクオリティ低すぎだろ。オイル漏れで頭おかしくなってんの?早く、ガソスタ行ってオイル補充してきな。俺の不戦勝だけどさ」


鈴木「は?パクリじゃねえし。オマージュってゆうんだよバーカ」


そんなくだらない掛け合いをしていると試験会場に試験官が入ってきた。


2人は黙り込み空気感は、ピリピリし始める。

配布される試験問題用紙と回答用紙。


試験官「それでは!東大2次試験を開始する!!」


試験官の合図と共に会場内にいる全受験生が一斉に問題用紙を開き始めた。


田中は、東大2次試験問題というモンスターに立ち向かう!!


ここまで辿り着くまで長かった。

八木教授と出会う前、グダグダ浪人生をしてた時と比べて今の自分は格段にレベルが上がっている。

ここで全力を出し切る!


東大試験のモンスターは、初っ端から魔王レベルだ。

でも、大丈夫!!

昔の自分とは違う!


魔王が放つ炎のブレスを田中は、最終形態まで進化させた大剣で受け止める。


熱い!!熱い!!でも、負けてたまるかぁぁぁぁっ!!


炎のブレスを切り裂き魔王の頭上まで高く跳び、渾身の大剣を魔王の脳天に叩きつける。


ニヤリと笑う表情の魔王に連鎖して田中もニヤリと笑う。


ーエンジンを掛けろ…ギアを上げろ…!!ブースト!!!


田中の持つ大剣から炎が溢れ出る。


魔王は、自らの両手に巨大なエネルギー玉を作り込んだ。


ーこれで最後!!!


田中の大剣と魔王の巨大なエネルギー玉がぶつかり合う。


周囲は光に包み込まれた。



     ・・・



東大試験問題という魔王軍との戦いを終えて、試験会場を出た。

田中は、フラフラだった。

全てを出し切った。

もう、後悔はない。


激戦の戦士を待っていてくれた師匠の姿を見て急に力が抜けて安心感に包まれた。


田中は、八木教授にふらっと倒れ、それを受け止めてもらった。


後は、結果を待つだけだ。


つづく


完結まで…残り3話!

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