第46話 真剣な雰囲気の中にふざけた感じで入り込むとめちゃくちゃ怒られる
遂に、東大受験本番日を迎える。
緊張で昨日の夜、興奮し過ぎて眠れなかった。
まさか、最終決戦当日を睡眠不足で迎えるとは。
田中は眠そうな目をこすり、八木教授と並んで、東大赤門前にいた。
これが、田中がこれから挑む、東大受験本番の場所。
まるで、魔王の城のように禍々しく建っているように感じる。
田中「遂に、ですね。八木教授」
八木教授は、眠そうな目をこすって答える。
八木教授「え?連続狩猟で、時間切れがなんだって?」
田中「おい!!!弟子がこれから東大受験本番に向かうってのに、絶対昨日の夜から徹夜でモンハンやって寝不足なだけだろ!!!」
八木教授「おい!!田中!軽々しく絶対なんて言葉を使うんじゃない!!俺は、村人からの依頼で村人の為に闘技場で、夜通し連続モンスター狩りやって寝不足なだけだ!!」
田中「それモンハンやってたって言うんだよ!!!」
八木教授「だって、俺、受験生じゃないから別にモンハンやっててもいいじゃないか」
田中「開き直りやがったよ!この糞教授!!」
魔王の城の前でも、いつも通りのやり取りをしたせいなのか、いつの間にか田中の緊張はほぐれていた。
そんな騒いでいる二人に対して、あざ笑うかのように声を掛けるものがいた。
新海教授と鈴木だった。
新海教授「あれ?そこに見えるのは、土下座コンビかな?」
鈴木「師匠。土下座コンビが、こんな東大受験会場にいる訳ないじゃないですか」
新海教授「それもそうか。土下座コンビがセンター試験突破出来る訳ないものな」
鈴木「センター試験落ちたから、インスタとかに載せる記念撮影に来たんじゃないですか?」
新海教授「フォロワー数0人のインスタアカウントに写メのっけても意味無いのバカ過ぎて分からないのかな」
二人の中傷に対して、段々とはらわたが煮えくり返って来た田中と八木教授は睨みつける。
八木教授「あれ?なんか、大分、前に分かれた元カノの事をいつまでも忘れられないでしがみついてそうな未練たらたらロン毛の幻聴が聞こえるんだが気のせいかな?」
田中「きっと、気のせいですよ。そんなロン毛コンビなんて、実は、3番目位のキープ男だってことも気づかないで、今頃、元カノとのツーショットの写真をいつまでも眺めて、家でにやにやしてますって」
八木教授「うっわ。いい加減気づけよな。デート誘っても、ほとんど、断られて、元カノがたまたま暇すぎて空いた時間に呼び出し食らってることにさ」
新海教授「いや。それ誰の話してんの?え?お前らが作った架空の人物の物語?うっわひくわー」
八木教授「てか、なんで、涙目なの?ねえ?架空の人物の物語だと思うならなんで涙目なの?」
涙目になっている新海教授に対して、にやにやしながら追撃していく八木教授。
新海教授「うるせえな!今度こそ、徹底的に潰してやるよ」
鈴木「え…新海教授・・・いや、田中!!八木!今度こそ、立ち直れないくらいに潰してやるよ!」
鈴木は、心配そうな顔で新海教授を見た後に、すぐに切り返して言い放つ。
両者コンビが睨み合っている中、土下座生中継対決の時にいた、司会者とカメラマン数人が近づいてくる。
司会者「どうもー!!プライドバトル生放送!今回はなんと、緊急生放送企画!!あの生中継土下座対決で激突したコンビ同士が再び、合いまみえる!!最終決戦!東大受験本番!!だーーー!」
テンション高くべらべらしゃべる司会者を両コンビが睨みつける。
八木教授・新海教授・田中・鈴木「うるせえ。てめえは黙ってろ」
司会者「あ…はい…」
圧に屈して、司会者は体を小さくちじ込ませる。
東大受験受験がもう少しで開始するアナウンスが、流れる。
そして、田中と鈴木は、赤門を超え試験会場に歩き出した。
赤門前では、八木教授と新海教授が仁王立ちをして、弟子をそれぞれ見送っていた。
司会者は、そんな4人の禍々しいオーラに蹴落とされ、いつ、喋っていいのか、タイミングを静かに伺っていた。
つづく
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