第45話 タイトルに課外授業って付いてるのに課外授業してなかったからちゃんとタイトルの意味回収
東大受験におけるセンター試験の重大性
東大受験のおいての配点方式として
センター試験 110点満点
東大2次試験 440点満点
合計550点満点ので行われる。
こう見てみると、2次試験の配点ウエイトが高い分、センター試験は手を抜いても、2次試験で点数取ればいいのでは?と思うかもしれないが
東大受験者の人数がある一定数を超えた場合、このセンター試験の点数により、ふるいをかけられ、東大2次試験を受けられないという事態が起こりうる。
そのため、配点形式だけ単純に考えると軽視しがちな、センター試験だが、東大受験においては、決して手を抜いてはいけないものである。
試験官により、センター試験終了の合図が下された。
この合図とともに、田中は集中させていた神経を解いて、気が抜けたのか、机に空気が抜けたようにへにゃへにゃとへばりついた。
田中がセンター試験を終えて、試験会場の外に出ると、片手にゲーム機を持った白衣の男がいた。
その男は、田中がセンター試験受ける前に見送られた時と同じ姿で、目線はゲーム機に落としていた。
その姿を見て、安心感を覚えた田中は、ゲーム機片手の白衣の男に声を掛ける。
田中「まだ、モンハンやってたんですか」
八木教授「おう。やっとな、カルガクルガ狩り終わったぜ」
田中「弟子が、センター試験に四苦八苦してた時にモンハンなんてのんきですね」
八木教授「今年のセンター試験の時期的に、去年の年末商戦でモンハンが発売されたからな。これは、受験生にセンター試験なんて諦めて一狩り行こうぜって、アプコンからの暗黙のメッセージだ」
田中「全国の受験生と、アプコンに謝れ!!!」
八木教授「センター試験は狩り終えたか」
八木教授の言葉に対して、対して田中、笑みを浮かべる。
田中「ノー落ちで余裕で狩りましたよ。本番は」
田中の言葉を聞き、八木教授も笑みを浮かべる。
センター試験の結果は、後日、届くらしい。
その結果次第では、東大受験が出来なくなる可能性もある中、田中は、センター試験を絶対に突破して東大受験に臨むという根拠なき自信を強く秘めていた。
センター試験が終わり、家で寝支度をしようとしていた田中に八木教授がラインが来ていた。
八木教授のラインの内容は、「緊急!!今から、本郷三丁目駅前に集合!!」
そのラインの内容を見て
田中「おい。この糞教授…今、何時だと思っているんだよ…何が、本郷三丁目に集合だよ…ざけんなよ…」
理不尽な集合命令に、イライラを隠せず、心の中の声をぶつぶつと呟きながらも、田中は本郷三丁目駅前に向かった。
駅前に田中が着いても、八木教授は着いてなかった。
それから、30分くらいして、八木教授が駅前に着いて田中と合流した。
呼び出しておきながら、遅刻してきて、澄ました顔をする八木教授に対して、田中はイライラをぶつける。
田中「こんな時間に呼び出して、遅刻とかどうゆう事すっか!!!」
八木教授「いいから黙ってついて来い」
田中「は?」
イライラをぶつけてくる田中をスルーして、澄ました顔で歩き始める八木教授。
訳も分からず、田中は八木教授の後を追って、歩き始める。
八木教授が歩みを止めた。
田中もそれに合わせて歩みを止める。
田中「一体、何がしたいんすか!!」
八木教授「見て見ろ」
田中「え?」
八木教授が指を指した先にあるもの。
それは、東大の赤門だった。
八木教授に連れて来られた場所、そこは、東大のキャンパスだった。
東大の赤門を見て、田中は目を輝かせる。
八木教授「これが、俺の最後の授業…いや、最後の課外授業だ。田中、お前は、東大受験を突破して、春からこの赤門をくぐるんだ!!」
八木教授の最後の課外授業の言葉…その言葉に胸を熱くさせて、田中は、力強く返事をする。
田中「はい!!絶対東大合格します!!!」
夜風が赤門前に立つ二人に優しくそよぐ。
ふと、田中は重要な事を思い出して八木教授に問いかける。
田中「そう言えば、終電もうないですよね?」
八木教授「…」
八木教授は、遠くを見て返事を返せなかった。
田中「おい!!!なんか言えよ!!!」
田中の叫びは、夜の中に静かに吸い込まれて消えていった。
終電を逃した二人は、気合いで徒歩で、自宅まで歩いて行った。
家に着いたのが、深夜の3時頃になっていた。
これも、かけがえのない思い出だと思うようにした。
数日後、センター試験突破の通知が田中に届いた。
そして…時は流れ…
八木教授と歩んだこれまでの集大成であり、最終決戦…
東大受験日当日を迎える。
つづく
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