第37話 チ○リで来たの事あぁぁぁぁぁっ!!!
鈴木「久しぶりだね。負け犬土下座くん」
夜のコンビニで、田中がたまたま会ってしまったのは
『今年度一番今、会いたくない男ランキング堂々のナンバー1!』
の鈴木だった。
会って早々のけなし言葉に対して、田中は睨みつけながら叫ぶ。
田中「鈴木いいいいいいぃぃぃぃぃぃっ!!」
鈴木「おいおい。夜のコンビニで叫ぶなよ。近所迷惑だろ。負け犬土下座くん」
やれやれと返す鈴木の反応を見て、田中は、怒りを抑えながら落ち着きを戻す。
田中「確かにそうだな。近所迷惑だったな。すまんな。山田」
鈴木「山田じゃねえええ!!鈴木だわ!!さっき、鈴木って叫んでたじゃねえかよおい!!」
田中「すまんすまん。嫌いな奴の名前はすぐに忘れちゃうんだ。」
鈴木「はは。負け犬土下座くんらしく物忘れが激しいんだね」
田中「ぜってえ将来俺がお前の職場の上司になることがあったら孤島に左遷させてやる」
鈴木「負け犬土下座くんが、僕の上司になるなんて絶対あり得ない事だけどね。それよりさ、君の土下座姿がさ、ネットで噂になってるの知ってる?コラ画像とかに使われてるよ。それ見る度に笑っちゃうよ」
田中「スマホでそれ見てにやにやしているお前の姿を見て、皆、笑ってるの気づけよカス野郎」
鈴木「負け犬土下座くんに何を言われても、負け惜しみにしか聞こえないよ」
田中「勝手にそう思ってろよ。もう、お前と会う事はないんだからさ。じゃあな」
捨てセリフを吐き捨てて、去ろうとする田中の背に向けて、疑問を感じた鈴木は声を掛ける。
鈴木「もしかしてさ。東大受験辞めたとか?なんか、八木教授連絡取れなくなってるらしいじゃん」
田中「…」
その疑問の言葉のナイフで核心をえぐられた田中は、何も言えなくなり立ち止まる。
鈴木「図星か。まあ、あんな糞教授に付いて行ってた時点で失敗だしな。負け犬土下座くんはこのまま、あの糞教授、いや、糞元教授と仲良く負け犬人生歩んでね」
高笑いする鈴木に対して、悔しさとムカつきの感情が高まり続け、限界を迎えた
田中「てめえは、八木教授の何を知ってそんな事言ってんだよ!!」
田中は振り返り、鈴木を睨んで力強く言葉を吐いた。
その力強い言葉のパンチを受けた鈴木の表情は、無表情だった。
鈴木は、ため息を付く。
鈴木「糞八木教授は、元、僕の師匠さ。あいつに付いて行って僕は、東大受験に失敗した」
鈴木からの予期せぬ言葉のカウンターを受けて、田中は固まった。
田中「え・・・」
夜のコンビニの駐車場は、二人を空間を作り出すように、静けさが増している。
つづく
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