第13話 宿題のレベルが高いんじゃ!
「なんで、東大に入りたいのか?自分の中での答えを見つけてこい」
八木教授に投げかけられた宿題
田中は頭の中で、それがなんなのかを考えながら、駅前の通りを歩いていた。
「200円上げたら当ててあげるよ」
駅前の通りに座り込んでいた、小汚い恰好をしたおじさんに声を掛けられて、田中はびくっとし、立ち留まった。
田中「え?なんで東大に入りたいのかを当ててくれるの?」
頭の中で、宿題の答えを考えていたせいか、頭の中で考えていたことをそのまま、おじさんに対して、吐いてしまったことに気づき、田中は顔を赤くした。
おじさん「200円上げたら宝くじ当ててあげるよ」
田中「あ。。。噂の200円おじさんか。まあいい。どうせ200円だし、おじさんを助けると思って試してみるよ」
田中は、おじさんに200円を渡して頼んだ。
おじさん「ありがとう」
田中「おじさん当ててね」
そう言って、田中は、駅へと歩いて行った。
田中が見えなくなった当たりで、おじさんは呟いた。
おじさん「まだまだ、若者も捨てたもんじゃないね・・・」
田中は、家に着き、自分の部屋のベッドに寝転がって、また、東大になぜ入りたいのかを考えていた。
そして、気づいたら寝てしまっていて、朝になっていた。
田中は、結局、宿題に対する答えを見つけられないまま、重い足取りで、駅前の通りを通った。
おじさんが同じ場所に座り込んでいた。
田中「おじさん。宝くじ当ててくれた?」
おじさん「答えは自分で確かめてごらん」
おじさんは、ナンバーズの200円で購入された数字が4桁記入された宝くじのチケットを田中に渡した。
田中「あんまり、期待してないけど後で確かめるよ」
田中は、そう言っておじさんの前から立ち去った。
嫌な事がこの後、あると分かっているときほど
時間が経つ感覚が普段より早く感じるものだ。
気づいたら、八木教授の部屋の前に田中は立っていた。
宿題の答えは結局見つけられないまま
部屋をノックし、開けると、八木教授が座っていた。
八木教授「宿題の答えは見つかったかな?」
真顔でそう問いてきた八木教授の言葉に
田中は硬直した。
つづく
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