第2話疑似ーー②「学園」寮


<残骸>は洞窟にいる、洞窟の中にいる、「特殊能力を持った変化した人間」


を捕獲しーーこれを「お偉い先生」に引き渡す


それが、「仕事」だ


<残骸>を人間に戻すために、必要とはいえ、「研究機関」に「人間」

を送り込むのは、若干どうなのとも思わなくもない


ーーただ瘴気しょうきという人体に害になる「気体」を出すため仕方ないのだ


特殊能力は、一人一つ、、、、「狩り」のメンバーは正直癖のあるメンバーが多いが「梅雨」のように特に何もないひともいる


ーーというか俺って主人公向いてない設定だよなぁ


心の底から思うーー特に、生い立ちに何かあるわけでも、ひめた力あるわけでもない

妖怪が好きだということ、古い昔が好きでよく図書館でそういう本を読んでた以外

なにかわるわけでもあるめぇし


ーーモブというか、モブキャラのような設定だ


ーーとりあえず、「6歳上」の幼馴染の手作りご飯を堪能してると

スマホに電話が届く

か」

所長とは、有名なドルオタだーーちなみに言っておくと「ネットアイドル」大好き

研究室どころか、自宅も「ネットアイドル」まみれになっているという噂


ーーこんなんでも、一応<残骸>研究のパイオニアである

「--ああ、そっちはどうだ、とりあえず気をつけろーーお隣の研究室

、、、大学がな」

どうやら隣の大学でなんかあったみたいだ

「---脱走した、」「はぁ」「<残骸>がいる、たぶんそっちに向かってる

気をつけろーーあの大学功を焦るあまり非人道的な行為をしてたらしいぜ

ありゃーあ、そうとう「男」を恨んでる」


「なんで男なんだよ」


「そん時指名されたのが男の学生と先生だったんだよ」


とにかく気をつけろという話である


窓ガラスが割れるーー<残骸>が現れる、、、女子の制服を着て体中から

なすびみたいな(なすびにしては赤いけど)をはやしたーーそれ


「ゆるさないゆるさないゆるさないーー」


二つの爪が宙を裂くーーけど、あたらない


右手と右足を同時に出すーーひざは軽く曲げーーまるでのたまう蛇のように歩く

これを恒常的に繰り返すと


体感のブレがない分―ー速く、そして音がなく走れる


そして、これのいいところはーー吸いつくように走るから、

遠心力でぶれないというところだ


「なっ、、、、」


障害物の多い教室では、むしろ「普通」の走りのほうがけがをしやすい

「ちょこまかと」

壁に張り付きーー交互に、足を変えるーーこれで「視界」から消える


そして同時に近づく

「、、、どこにーー」


視界に入り、両手をたたきーー一瞬、ほんの一瞬、意識が消えたところへ

みぞおちに一発加える

「ぐふ」

気絶するーー<残骸>を横たえる

「、、、ひどい傷、大丈夫、大丈夫だよ」

そうとしか言えないーーどうか、どうか、こんどこそ「いい」研究所へ行きますように

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