梅渋奇譚、集

暇の三

第1話疑似学園ーー①、「寮」


「未知、おきなさ~い」


布団の中に寝ている「未知」と呼ばれた少女を起こす、そいつ


「ん~まだ眠いーー「るーちゃん、あと5分」


「だーめーもう朝だぜ」


累」ルイにとって、朝の子の時間ほど楽しみに満ちた時間はないのだが


「未知」はあまり、理解してくれない


「朝、ご飯できてるってーー」

「んーしょがないなー「るーちゃん」は、「るーちゃん」だっこ」



ーー「累」は、一時間前を思い出し、少しだけ冷や汗を出す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「お前ら、「弁当」忘れてるって、弁当」


緑雲光みどりくもひかりにとって、「弁当」とは無用の長物だった

そもそも、なぜに制服に着替える必要があるのかすら謎だ


なんせーー、通っているのは「高校」なのに、「正規の生徒」ではないのだ


というのも<残骸>という、人間が変化した怪物を「捕獲」する仕事をしているのだが

何の因果、それの支部が「高校の地下」にあるのだ、正直勘弁してほしい


「、、、いらない」「いらないってことないだろ、飯食わねえと力でねえぞ」


ーーここは、「寮」、、、「寮」内の食堂で言い争う人影


「やめとけって相棒」

累にたいし、そういうのは、「幼馴染」だ

唐琴梅雨からことつゆ


「でもよ、飯食わねえと力でねえぞ」


「んな、ことよりーーおかわり」「おかわり」「おかわり」



一斉に、茶碗を出されるーー毎度のことだが、「梅雨」は、

少し意地悪なところがあって

(まぁ、面白いからいいか)

と、特にフォローすることなく出かける

「はい、お前らたくさん食えよ」


特大の飯に、味噌汁(九州のみそ)たくあんのつけもの(自家製)


ヨーグルト(牛乳パックの中身を自分で加工した)に、イチゴジャム(手製)

をかけたのを「全員分すべて」おかわり、と言いう軽めの地獄を味わい


全員分の食器を洗い、乾燥機にかけーー急いで戻ってきた


ーー「寮生」に出したのと同じ「ご飯」を用意しながら思うーー「梅雨」たちちゃんとやれてんのかな



「梅雨」にとっては初めての高校生活は、無駄にきついというか


とにかくなんていうのだろうーー「昼休み」が待ち遠しくてたまらなかった


「いただきます」


さめても、おいしいご飯に、卵焼き、「肉」嫌いの梅雨の配慮に「あつあげ」

がはいった野菜炒めが、うれしい

梅干しや、ごま、きんぴらなどを用意してくれるのがいい

「うめぇ」


ーーどうしてこう、人が作ってくれる料理はおいしいのだろうか


「、、、はぁーーいらないってい、、、おいしい」

光は、一口食べて絶句した、、、正直食事なんて煩わしいだけだと思ってたのだ



この後起こるお楽しみーーー<残骸>狩りに比べれば





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