第3話

4


小会議室には、ベテラン刑事二人と後輩刑事が1人が早々とすわっていた


すると、少しの間を置き


高梨が今回の事件の概要を説明する


「被害者は山下恵さん33歳、道を歩いていたところ薬品のようなものを嗅がされ、起きたら拘束されていた、そこから『正義の行使』と言う名の元、セクハラをされたという流れです」


「正義の行使、か、、、つまりその男はその行動に正義感を持ってやっているということになるのか?」


1人の警部が問う


「ですが被害者の女性はレイプだと言っています、それが女性の気持ちでしょう」


「しかし原因がその女性でその男は依頼を受けてやったそうじゃないか、なかなか難しいぞこれだと」


「たしかにそうです、しかし今回は立派なわいさつ犯罪、性犯罪でしょう」


高梨は真剣だ


他のベテラン刑事の1人が聞く


「でも女性は昇天してしまったのだろう?そうなるとだ、これじゃレイプを立証するのもなかなか厳しくはないか?高梨どう思う?」


「はい、これはあくまであたしの個人的な考えですけど、被害者には申し訳ないですが、感じたら負けだと思います、加えて絶頂を迎えたとあっては、犯人へ好意的な反応をしたと捉えられても否定が難しくなる可能性が高くなります」


一般的に


女にとってレイプ以外の恐怖といえば、


レイプにもかかわらず感じてしまうことだ。


好きでもない男に強制わいせつされて


感じてしまったら、、、


女にとってこれほどの屈辱はないだろう


高梨に限っては感じるなんてことあるわけはないと思うが、ましてや彼女は刑事


犯人にわいせつ行為をされて、感じてしまったら、完全に警察官はやめるべきだと今回そう思うようになっていた


が故に、いくら考えても被害者を擁護する見通しが持てない、絶頂を迎える概念すらが彼女にはないのだ。


「そうだろ?つまりそこを突かれるとなにも出来んぞ」


「たしかに逃げられそうだな。何しろ昇天したとき男は体をさわってないんだから。それに、万が一、その電マとやらでほかの女が何とも感じなかったとしたら、、、」


「なあ高梨、お前は一流の警察官だ、しかしおまえのように理性の高い女でも、耐えられないってことは考えられるか?」


彼女は怒る


「そんなことなるわけないですし、セクハラですよその発言」


「1つの意見として聞いているだけだ」


「だが実際くすぐり等で女性に触れているんだ、その線でわいせつとして逮捕まで持っていくしかないな!」


とにかくまずは


犯人がいるであろうアジトとやらを特定しなければ、という結論で一先ず今回の会議は終わった


現代は良くも悪くもネット社会


警察のサイバー捜査チームがSNSに潜り込んで犯人だと思える人物を特定したいが


このご時世、SNSをしている人間の規模は一千万を越える。さらに、なりすまして自分のページを作れるとあっては特定の使用がない


ないが、そこは警察の捜査力


1人が過去の投稿を全部見直していたらとあるアカウントを見つけた


アカウント名


「Hanamiya」


「ついにやっつけてやった、あの女教師やっつけてやったざまぁ、依頼した甲斐があった〜、ほんとありがとうございました〜」


と、投稿している


(こいつだ、、、)


高梨は思った


「なるほど、こいつが依頼主か、高梨警部補!この男が容疑者と接触したとみていいでしょう」


彼女は頷く


「この子が依頼主で間違いなさそうね、捜査の参考人として任意同行してもらいましょう」


「しかし、こんな簡単に見つかるものでしょうか、、、」


男の弱々しい巡査が心配そうに聞くが、声が小さすぎて誰にも聞こえない


後に彼は後悔することになる


この時、もっと勇気を持って発言していれば


なぜはっきりと聞いてもらえるように喋らなかったのだろうかと、、、


さて、依頼主と思われる人物が見つかったことでここから状況は加速する


しかし彼女は知るよしもない、、、


自分がまさか


最悪の状況に追い込まれるなんて結末を、、、




5




「ん?」


目が覚めた。高梨は自分の姿を見て目を丸くした。


「んんん! んんん!」


スーツのまま両手を天井から吊るされ、拘束されている。口にはガムテープ


ここはどこだ?


一体どういうことだ?


なぜここにいるんだ?


そうだ、思い出した


部下の田辺巡査と一緒に花宮を重要参考人として連行する際だ


花宮と話している時になぜか眠くなって、、、


最初に出された紅茶か?くそ!


両手首はガチガチに縛られている。


テープが貼られているから、声を出すことができない。


「んんん」


思いがけない出来事に、高梨は身じろぎした。自力で両手をほどこうとするが、キッチリ縛られているようだ


彼女は周囲を見た。


男性刑事の部下である田辺巡査も捕まっている。


「んんん、んんん」(せめて彼だけでも逃がさないと、、、)


田辺巡査は警察学校を卒業したばかり


警察の割に腕っぷしには自信がなく、どちらかと言えば教室の隅で本を読んでる方が似合うくらいだ


交番勤務の際も彼はよくミスをした!


そのたびに叱って来たのだが、彼の誠実さにより仕事の成長ぶりもすごかった


そして彼のそんな誠実な部分が今回のSNS操作に功を奏し、花宮を見つけることが出来た!


だが連れて来たのはミスだったかもしれない


彼の精神じゃこの状況に耐えられるか、、、


(いつも私を慕ってくれる大事な部下だ!私が守らないと)


こうなったらジタバタしても仕方がない。


彼女は観念したように力を抜き、天井を見上げて考えた


それにしても


花宮は何の目的でこんなことをしたのか。


高梨は頭を急回転させた。


「ん?」


考えながら、ふと前方を見ると、誰かが歩いて来る。


「んんん!」


善良な紳士であることを祈るしかない。


いやそんなはずはない


この状況でここに現れるやつは大抵犯人かその類である


「起きたか、ごきげんいかがかな?」


野太い声だ、裏の人間か、、?


そしてとなりには花宮がいる


グルだったか!高梨は男を睨んだ!


「ははは!こりゃあすごい!普通の女の子なら既に大泣きなところだがさすがは女刑事。無抵抗なのに睨みつけてくるとはね」


「んんん」(だまれっ)


「ふふふ!してやられたりという面だな、最近の警察は頭がいいのか悪いのか、インターネットに載ってる情報をそんなあっさり鵜呑みにしてるから裏をかかれるんだよ」


だまれっ!


と、叫びたいが、ガムテープで声は出ず、代わりに男をさらに強く睨む


しかし、どうやら言葉で神経を逆撫でするのがこの男のパターンようだ。彼女はそれに乗らないように気持ちを確かに持つようにした。


「睨んでも無駄だ!さて、話がしたいな!テープをとるが、騒いだりしたらそこで寝ている可愛い部下もろともあの世行きだぞ?」


「んんっ」(冷静になろう、、、)


睨むのをやめて、すました顔で男を見すえた。


男が近づいてきてテープを外す


ビリビリリッ


ガムテープが剥がれた


「警察官を監禁なんかして、愚かなことよ、今すぐ外しなさい」


「随分と落ち着いているな、プロフィールを見させてもらったぞ、さすが優秀な女刑事だな!公務員の肩書きでコンパにばかり言ってるやつらとは違うってか」


「そんな人この世界にはいないわ!」


「まぁいいとにかくおまえの肝の据わりようは常人を遥かに上回るわけだが、全ての人間が君みたいに強いわけじゃないんだ!


たとえば!と、おい起きろ!!!」


男は縄で後ろ手に縛られて床に寝転がされている田辺を起こす!


「んんんっんっ、、ん?え!!?へっ!!!!」


田辺はこの敵地に拘束されている状況という


失禁しそうな恐怖の状況に震えおののき、激しくもがいた。


心臓が飛び出そうなほどの焦り


胸のドキドキが止まらない。


「ひぃっいやだ!死にたくない!


「田辺巡査落ち着きなさい、大丈夫だから」


高梨は彼に言い聞かす


「ははは!!男が女に言ってもらう言葉じゃねーなおい!まぁ、これがでもフツーなんだがな、女にの方が精神的にタフだというがこれほど顕著な例も珍しいなははは!」


男が田辺巡査に歩み寄る。


生きた心地がしない。彼は泣き顔で首を左右に振りながら、弱気な目で男を見つめた。


「助けてください、、、助けてください、、、」


「安心しろ。1人であの世に送ったりなんかしないからよ!!!」


男はそういって拳銃を向ける


田辺巡査の恐怖は最高潮に


「いやだー!助けてくれ〜!!!!」


「あなたの顔のようなブサイクな行動はやめなさい!」


彼女は男を挑発し、意識を自分に向けさせる


「ほぉう、、、これは心外だなぁ、おれはこれでも男前で通ってるんだ!ふっ、まぁいい、その挑発に引っかかっといてやる」


男は銃を離す


田辺は泣きやまない、、、が、


「警部、、、」


自分を守ってくれる高梨のためにもと勇気を振り絞って泣くのをやめた


男は笑う


「いいねぇ、師弟愛ってやつですかい?素晴らしいね〜〜!」


「黙りなさい!私にはなにしてもいいわ!でも彼には指一本触れないことを約束して!」


「へーー了解!じゃあお前がギブアップしない以上はこいつは甘く見てやるよ!だがおまえがいつまでそんな澄ました面で耐えられるかな?」


「私になにをしても無駄よ!はやく終わらせてさっさと解放してちょうだい!」


「生意気な!ふっ、、、まぁいい!おい聞きな男の部下さんや?今から君の尊敬してる先輩が普段見せないようなあられもない可愛いくて恥ずかしい面をたーーっぷりと見せてやるから、冥土の土産にでもしてくれな」


「ひ、、、ひぃっ!」


「落ち着いて!!」


「け、、警部、、、」


「大丈夫よ!私がこんなやつに負けるわけないでしょ?あなたはそこでじっとしていなさい」


(絶対に守る、あなたは私の大切な部下なんだから)


「はい!!!!」


「感動だねぇ〜!さあて、ショータイムのスタートだ」


といい男はハサミを取り出して


彼女のスラックスをビリビリに破いてしまった、、、


続き

https://note.mu/ysvb1234/n/n46477809f5df

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堕としマフィア 2 ヒロピンマイスターグリ男 @Gurio1234

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