写真屋のMさん

 写真屋さんで働くMさんの話。

 Mさんの写真屋には時折不思議な写真が持ち込まれるという。

 それは心霊写真と括るにはあまりにも不自然で、しかしどう対処していいかわからないと、困った顔のMさんは言った。

 その写真は多い時で一週間に一度持ち込まれるという。件の写真は現像してみると普通に現像できているフィルムの間に一枚変な風に感光した写真が混ざるのだという。薄っすらと建物の写真であることは分かるが光を被ってしまっていて、どんな建物であるかの判別は無理だという。

 不思議なことに、これはメディアでも起こる現象らしく、メディアの情報に紛れて件の写真がプリントされるのだという。

 もちろんそんな写真を客は知らないというものだから、破棄に回すしかない。

 そうして今日もMさんは困った顔で不思議な写真をシュレッダーにかけている。

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