ぺらぺら2枚目
これは祖父から聞いた話。
祖父は山が好きな人だった。
それが高じたのか、大工と猟師を兼任していた。
若いころは猟が解禁になると、猟銃を背負って山に分け入っていたものだ。
祖母はよく心配して小刀も持っていけと言っていたが、彼は頑固だったから「コレがあれば十分だ」と相棒の散弾銃を撫でていた。
そんなある日祖父が血相を変えて山から下りてきた。
祖母は熊でも出たのかと思ったが、どうやら様子が違うらしい。
「あれは撃ってもしょうがねぇ」
彼は銃を下ろしてそう言ったという。
「あんな薄いもの、切っちまった方がいい」
木々の隙間に覗き込む女を見たという。
それから祖父は山に分け入るときには必ず小刀を持つようになった。
もちろん棺桶にもいれたとも。
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