第2話 春光
桜が散り木の枝が日光に晒される日々が過ぎていき、俺は彼女とはなにも交流がない。ただ、友達との交友関係を深めているある日、大切な説明の時間が訪れる。その説明とは入学して1ヶ月も経たないこの交友関係で自然教室という名のカレー作りにわざわざ外部へ出かけるものだ。「明日は出席番号でグループ決めたから各自プリント見ておいてくれ。」と海老山の声が小さい教室で大して鳴り響くことなく俺の耳に入った。
俺は彼女のことしか頭になかった。だから、既にAとTの時点でグループが違うことが明白だったため、明日の自然教室に興味はなかったが、最初の席が出席番号のため、グループの奴らとはある程度の交友を深めれたから安心することが出来た。そしてみんながとは言わないが過半数の人間が明日の自然教室に浮かれてる中一人の女の子が俺の席に歩み寄ってくる。小山 萌菜だ。
俺が今のところ唯一仲良くなれた女子だ。まぁ、いわゆるマスク女子って奴だがそのステータスアップアイテムをつけてると魅力の数値はそこそこ高いだろう。この子とは某モンスターアニメという互いのlikeが一致してる事をキッカケにたまたま仲良くなれた。「話せる男子いないから当日助けろよ。」
と、ふざけ笑いつつも本気で声かけてきた。「関われる時間があれば関わってやるよトレーナー。」と俺はそのアニメ好きへのテンプレートと言われる煽り文句を飛ばし、「じゃないとジムバッジ渡さないから。」とかというくだらない煽りで返され高校クオリティとはこんなもんなのか…。と心の中で悲しんでるのを誰にも明かさず自分の胸の中にしまった。
下校のチャイムがなり、説明も無事終わったところで田中を横目に見ながら教室の外に出て自転車で風を切りながら家へ帰って行った。
家に帰り、明日の支度をしようとしている俺はオシャレなんかもっぱら興味なんてない。服は動きやすい服に下はスウェット。まるで地元のコンビニに立ち寄るような格好しか浮かばない。まぁ、明日彼女と関わる時間も少ないだろうし適当でいいだろうという言葉が脳内を占めていた。
クラスの男子グループが某SNSで作られ4人のメンツがそこで会話をする。6月ごろ行われる陸上競技大会の種目決めはとっくに終わっていて中学に陸上部に所属していた俺は自信もあったし4×100mリレーに出ることが決まっていた。そのメンツのグループだ。内容は朝練習をしないかという誘い。俺は比較的高校から家も近いし苦ではなかった。ただ、それ以上に校内イベントといえ頑張れるという事に高揚を感じていた。みんないい奴で承諾されると7時に学校集合と決議が行われた。
俺は、飯を食ってアラームを6時にセットすると電気を消し横になった。
明日は、彼女と関われるかなぁと「登録する」という画面が出るページをクラスのグループから辿り、その画面でいろいろ考えるも、登録をすることなく明日のカレー作りでの彼女との思い出を妄想しながら、夢世界に突入する。
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