プロローグ ー裏ー
わがはいはドラゴンである。
名前はまだn…俺の名前は春日 伊織。
普通の高校生…普通のドラゴン…いや結構重要なドラゴンである。
…正確に言うと俺の住む山から魔界、人界の境界線が定められているからそこを監視して世界の均衡を保っている。
世界の均衡を保つって…言い方は綺麗だが境界線を侵犯したものを速やかに殺す…だけの仕事。
まあ…明らかに助けを求める風貌のものは加護をかけて送り返している。
『…職務を自分の中で解説してどうすんだ…』
部活の帰りに鉄パイプが俺の体を貫き、トラックに跳ね飛ばされ、なんでか知らんがヘリの残骸が降ってきてトドメを刺された。
要するに災難な体質だった。
転生に立ち会ってくれた明らかに悪党側の神様には素晴らしい体質だと、完璧にいい神様チックな雰囲気を醸し出している神様からは可哀想な体質と言われた。
消せないとも言われた。
災難だ。
引き継がれてしまったからやはり災難なことは起き続けた。
世界の均衡をなんちゃらかんちゃらするドラゴンってのは知ってるはずなのに無駄に強いやつが挑戦してきたりした。
まあ生前から喧嘩は買う主義ではあったので受けて、挑戦者は胃袋にボッシュートした。
丁寧に衣服をはいで頂戴した。
不味かった。
まだ山羊のが美味い。
てか山羊が美味い。
1回だけ農村からかっぱらったことがあるのだがそれが絶品だった。
うへへへ
まずい。語彙力が低下していた。
ちなみに災難は挑戦者続発にはとどまらなかった。
じつはこの身体。
雌竜なのだ。
生前の性別は勿論男だ。
TS転生してしまったのだ。あっはっは。
なんじゃそりゃ
まあ女といえどドラゴンである。
トイレのする場所は決めているので困ったりはしない。
まずドラゴンと人間では根本的に違うから苦労は感じていない。
トイレは苦労しなかったがドラゴンは人間とは違い常時発情期ではなかった。
動物と同じく発情期が来るらしい。
1回だけ。1回だけ発情期を経験したがあれはやばい。
ずっと垂れ流している。
なにをとは言わないが…
ドラゴンの発情期は100年のうち1回あるかないからしいのだ…誰に教えてもらったかって?
発情期で火照る身体を岩肌で冷やしてる途中に脳内に直接ドラゴンの生態が神によって叩き込まれたので誰かといえば神様だ。
その生態の中に時間の感覚があるのだが。
俺にとって転生したのは昨日のように感じるが暦的に言えば俺が転生したのは100年前らしい。
ドラゴンの生態を身をもって味わった気がした。だが生憎友人家族は前世に置いてきていたのであんまり悲しくはならなかった。
ただもう人間じゃないんだなと…
ちなみに今日が100年記念日である。
なので現在進行形でドラゴンを感じさせてもらっている。
いやー。悪役プレイって楽しいよね!もう仕事辞めようかな!
『『ダメに決まって(いる!)(ます!)』』
神様…冗談ですよ……
『冗談にしちゃタチが悪い!』
『やめてください!』
…あぃ
雌竜になるだけならまだしも…ガチ女体化とかないわ… @fatle
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