第43話 二階の仲間達

 新設の二階はまだ一部屋しか無いから、部屋の広さ拡張で設置範囲ぎりぎりまで広げておく。

 一階は縦横一キロメートルが最大だったけど、二階だから縦横二キロメートルまで広げられるのよね。

 森の見通しの悪い中での広さだから、特に段差で先に進めないとかはしなくても大丈夫かな?

 次の階に進む為の階段は、エリア内に何本か大木を設置して、大木の洞に階段が有るのと、宝箱が置いてあるのと、ハズレのとを作れば良いかな。それで偶に場所を入れ替えれば良いわ。


 宝箱はダンジョンのランクによって置ける上限が制限されているので、うちみたいな出来立てだとEランクからDランクのアイテムが出る宝箱しか置けないらしい。

 宝箱は一度開けられると次に中身が入るまで一週間掛かるのと、ランクによって設置費用が変わるらしい。EからDランクのだと200ポイント必要だそうです。

 それから十回開けられると宝箱は消えちゃうんだとか。まあ、無限にアイテムを取得出来るなら、宝箱並べてアイテム増殖するわよね。出て来たアイテムは売り払えば使ったDPダンジョンポイントの元だって取れる訳だし。

 十回の内一回はちょっと良い物が出る様になっているんだって。鉄の剣が銀の剣になるぐらいなのかな?


 エリアを森にした訳だけど、薬草の採取が出来るようにしたいとか思うと、この階も定期的にメンテナンスする子が必要になるわよね。

 植物に詳しくてそれなりに作業の出来る子がいるか白銀に聞いてみたら、丁度六日目のスタート記念ガチャでマンドラゴラを引き当てたから、同系統のアルラウネが召喚出来る様になったんだって。

 ダンジョンモンスターの召喚も、倒した事の有る魔物や仲間にした事の有る魔物は任意で召喚出来るけど、全く関係の無い系統の魔物は召喚出来ないんだって。


 アルラウネはDランクの魔物で、女の子の姿をしている。髪の毛は緑色で、樹皮みたいな色の肌をしていて、足が根っ子の形をしているから、来ている服はつま先まで覆うぐらいの長さなのね。

 主に精神系の攻撃と、それから補助的に蔦何かを成長させて拘束して来たりとかするらしい。

 取り敢えず五人召喚して様子を見ようかな?


「これからよろしくね。必要な物がが有ったら言ってね」

 目の前に並んだ五人に、そう挨拶をする。

 私の胸の下ぐらいまでの身長しか無いから、多分百二十センチ位なのかな?


 アルラウネ達は、皆揃ってこくりと頷いた。

 元々植物系統の魔物だからなのか、基本的に無口なんだって。それで仲間とはテレパシー的な物で交信しているらしい。


「それから森と言えばこの子達よね」

 植物系統の魔物を五体以上召喚した事で条件が解放された、トレントを召喚する。

 トレントもDランクの魔物なんだけど、所謂古木って感じの見た目をしている。節とか洞とかで何となく顔っぽい感じの物が幹に付いていて、基本的には枝を振り回したりして攻撃するみたい。

 と言うか、Dランクなんで枝を振り回すぐらいしか出来ないって言うか。

 うん。あんまり強くなさそう。

 たま~に根を引っこ抜いてのんびり移動したりするらしい。後は洞に風を通して不気味な音を立てたりするとか。

 不気味なだけで何ら効果は無いらしいんだけど。

 特に役目も無いけど、森にはトレントが居ないとねって言う私の趣味で、取り敢えず三人程召喚しておいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る