第32話 第二回ダンジョン運営会議
「と言う訳で第二回ダンジョン運営会議で~す」
注目注目~と手を叩いて視線を集める。
出席者は私と白銀と花蜜豆と親分とその他一階に住んで居る子達である。
ナオさんは引き続きフレイヤさんと猫じゃらしで遊んでいるから、不参加です。まあ、耳がちょっとだけこっちを向いているから、多分会議の内容は聞いている筈。……遊びに夢中になったら分からないけど。
「現在階層を増築する程の
細かい仕様は後で決めれば良いから、先ずはどんなテーマで構築するかからかな?
例えば現在の状態を生かして、薄暗い洞窟風にするとか。これだと見通しが悪いし、弓とかの遠距離系や槍などの長物系の武器はちょっとやり難くなる筈。上手く作れば挟み撃ちとかもし易いかな。
反対にレンガ何かでまっすぐな壁を作るのだと、特徴が無いから現在地を見失い易い。ただ、ちゃんと地図化するような相手だと、簡単に構造を把握されてしまう危険も有るけど。地図を埋めていくと実はこんな所に隠し部屋がとか、ベタだけど浪漫よね。
墓場なんかも、初めて入った時とかは不気味だし恐怖心を煽るわよね。骸骨とか生ける死体とかが定番なのかな。……あんまり自分のダンジョンだと思うとご一緒したくないんだけど。
別に皆の意見を聞かずにナオさんと私の好きな様に作っても良いんだけど、ダンジョンを作る前にこの子達を仲間にしちゃったから、そしたらダンジョンの方をこの子達に合わせるしか無いのよね。
ダンジョンに合わせて召喚モンスターを決めるか、モンスターに合わせてダンジョンを作るか。
居住空間と噛み合わないと辛いから仕方がないわよね。
「じゃあ、花蜜豆さんどうぞ~」
会議の進行のコツは、無理矢理話を振る事よ。
意見は良いも悪いも無く、思い付いた端からジャブジャブ言うと良いと思うのよ。
「ふんふん。成程ね~。ダンジョン内で蜜を集めたいのね」
と確認すれば、花蜜豆は触角を震わせる。別に心が読めるとかじゃ無いんだけど、触角とか脚の動きとか、羽根の震わせ方で何が言いたいか分かるんだから不思議よね。
「親分は、……隠れられる茂みが欲しいの?」
まあ、角うさぎ達は角を相手にぶつけて来るだけだから、一発目は良いけど失敗したら後が厳しいのよね。
ホーソーンビー達も飛べると言う利点を生かすなら、狭い通路とかよりも広い空間の方が良いだろうし。
「て事は、あれかな~。ダンジョンの外の環境と似た感じにするのが良いのかしら?」
当たり前と言えば当たり前か。
ちなみに一階を外と同じ様にするとして、現在はそれ程広くない空間が一部屋有るだけなんだけど、これを広げるのにどれぐらいDPが掛かるのか聞いたら、部屋の広さ自体は部屋の設置で使うDPに含まれているんだって。
広さは一階の最大範囲が一平方キロメートルで、階層が増える毎に一辺が一キロずつ増えるとの事。
一平方キロメートルの丘陵地帯とか、広さ的には微妙な気がしないでも無いけど、初心者向けの最初の階だからこんなもんなのかな?
各部屋のレイアウトの変更は、部屋増設に必要な分の半分で、階層全部を変える場合は階層設置の半分必要なんだそうです。
一階は最初から在ったから、階層全部変える場合は100
勿論階層全部レイアウト変更で丘陵地帯よね。
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