第29話 DPを気にし過ぎても駄目
「ご馳走様でした」
大事に味わって食べたけど、朝食を食べ終わってしまった。コボルト達も身体の大きさの割には結構食べるのね。
紅茶もお代わりを淹れて貰って、久しぶりに贅沢をした気分。
そう。贅沢をしちゃったのよ。
さっきまでタンポポを見ながらタンポポコーヒーとか考えていたというのに、紅茶とか。どう考えても贅沢し過ぎな気がする。
とは言え、お任せで必要な物を購入して貰ったのだから、責めてはいけない。
責められるべきは許可した私なのだ。
そして、何に使ったのか確認するのも私の役目だろう。
「フレイヤさん。購入した物を報告して貰っても良いですか?」
使った食器類はさっと浄化を掛ければ綺麗になっていたし、彼女が素早く朝食の後片づけを終えたのを確認して、声を掛けた。
「はい。先ずは食材として小麦10
と、フレイヤさんは淀み無く何を購入したのか報告してくれた。
うん。丁度500P。しかもこうやって聞いてみるとどれも必要な物だ。そして汎用性も高い。
これからも生活に関する買い物はお任せしてしまった方が良さそうな感じね。
「ありがとう。また何か必要な物とか有ったら、白銀と相談して購入してください」
確か昨日の時点で1,085P残っていた筈だから、500P使って585Pなのかな。
「現在605P有ります」
白銀に確認したら、自分が計算していたのより僅かに多かった。むむむ?
「ダンジョン日誌を見せて貰えるかな?」
その日一日のDPの収支が自動で記入されているから、確認をするのにとても便利なのだ。
白銀から半透明のプレートを受け取って、先ずは今日の分を確認。
……フレイヤさんが食品プラスαに使った500P分だけだった。
次に遡って昨日の分。寝る前に日誌を書いた時には、コボルト達の眷属化の分と、ナオさんと私で狩りまくった戦果だけだった筈だけど。
「ん?……自然増加分20Pって有るわね」
計算したズレとも丁度数字が合うし、私が把握していなかった分はこれで間違いないだろうけど。
「ねえ、白銀。自然増加って言うとどういう時に発生するの?」
一日目と二日目には無くて、三日目にだけ発生している条件は何だろうか。眷属化した人数?それともダンジョン内の人口?
「はい、以前ダンジョン内に冒険者が滞在すると魔素を吸収すると説明したかと思いますが、そういった分も自然増加に含まれます。……ただし、現在は未公開ですので冒険者などからの吸収分は有りません。また、ダンジョン内のモンスターに関して、通常のモンスターがどれほど居ても魔素の増加は無いため、DPが増える事は有りません。しかし、ネームドモンスターに関しては、放出する魔素が多いためDPが自然増加として増えます。……大体召喚に必要な分ぐらいでしょうか」
つまり昨日増えた分はネームドモンスターになった隊長の分って事ね。
20Pは微々たる数字だけど、毎日入るなら塵も積もればだし、何気に美味しい。
でも私のスキルは狙ってネームドモンスターに出来る訳じゃ無いしねえ。
ああ、でも大当たりで引き当てたフレイヤさんもネームドモンスターみたいだし、ランクも割と高そうだから、明日になったらどれぐらい貰えるのかなあ。
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