第27話 生活を整えるにはある程度の出費が必要になる
「ところで皆様、ご朝食はもう済まされましたでしょうか?」
未だの様でしたらご用意させていただきます。とフレイヤさんは言う。
「朝ご飯作って貰えるのは嬉しいけど、材料も道具も殆ど無いのよ」
食材はそもそも無いし、調理道具もキャンプ用品に付いていたBQセットぐらいなのだ。
「そうですね。道具は追々揃えて頂くとして、取り敢えず小麦粉と牛乳と卵とジャガイモと玉ねぎと人参とベーコンを購入していただけますか?」
フレイヤさんはちょっと考えてから、欲しい物を並べ上げた。
「ああ、食器も無いようですね。それから、今後の事を考えると毎回卵を購入するより、卵を産む鳥を召喚しておいた方が良いかと思います」
勿論すぐにとは言いませんが。
「……召喚?」
鶏を飼うんじゃ無くて、卵を産む何かを……?
「はい。ダンジョンモンスターならば、普段はダンジョン内に放して置けば済みますし」
卵だけ決まった場所に産む様に言っておけば良いので、便利ですよ。と、とてもいい笑顔でフレイヤさんは言う。
「う、う~ん。まだちょっと、ダンジョンモンスターの卵を食べる勇気は育ってないから、当面は鶏とかの卵でお願いします」
後は、そうですね。直接選んで貰った方が良いかなと思うので、500
「承りました。それでは朝食の用意を致しますので、暫くの間お待ち下さい」
そう言ってフレイヤさんは丁寧にお辞儀をしてから、購入する物資について白銀の説明を聞きながらプレートを覗き込んだ。
ナオさんは猫缶を食べたから良いし、ホーソーンビー達は蜜を採取しに出掛けて行ったから、朝ご飯が出来るまでの間ぼーっとしているのも落ち着かないしで、果物ナイフを片手に角うさぎ達のご飯を一緒に採取しに行ってみた。
基本的には草食で、果物なんかも割と好きなんだって。
ちなみに寝床用に集めた草何かも、小腹が空いたら食べちゃうみたい。お天気悪い時なんかだと巣に引き籠ってもぐもぐしちゃうから、割と入れ替わりは激しいみたいよ。
などと言う、今後役に立たないであろう豆知識を、ボディーランゲージを交えつつの何となくなコミュニケーションで仕入れてみました。
それより、この果物ナイフ思ったよりも切れ味が良いわ。確か私の部屋から召喚された時に一緒に付いて来た奴だと思うんだけど、こんなに切れたかしら? それともこっちの草が根性が無いのかしら。
兎も角も一抱えぐらいシュッとした多分イネ科っぽい草を刈り取って、そろそろ朝ご飯出来てるかなあとダンジョンに戻る。
ちなみに親分達角うさぎは、その場で結構もぐもぐしてた。タンポポみたいなのとか、クローバーみたいなのとか、うさぎと組み合わせると凄く和むよね。
タンポポはタンポポコーヒーが作れるかどうか、後でフレイヤさんに聞いてみようかしら。
お茶がというよりも、お茶を飲む事と一息吐くという事が結び付いてるからなんだけど。
お茶を飲んで、ほっとしたいのよ。
後はヨモギみたいなのも生えていたから、探して見ると食べられる草とか結構有りそうな気がするなあ。
今はそう言うのを探すよりも、DPを増やすために見つけた端から魔物を倒してるんだけどね。
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