第20話 リアルラック様
広い部屋でもお布団を端っこに敷いてしまうのはどうしてなんだろうね?
おはようございます三日目です。
一階層は外から入って直ぐだし、ホーソーンビー達と角うさぎ達が巣を作っているから、何となく落ち着いて寝られ無さそうだしで二階で寝る事にした。
二階なのか地下一階なのか難しい所だけど、ダンジョンは入った階が一階で、以降上に進もうが下に進もうが二階三階と数えていくらしいのでそれに倣う事にする。
昨日は慣れない戦闘をしたりとか、毒で半日ぐらいスリップダメージを受けていたりとかで、思ったよりも疲れていたらしい。
ガチャを回した後、酸っぱくて固くて美味しくないパンを食べて(大きな塊だったからまだ半分以上残っている)、浄化を掛けてすっきりしたら布団を
ダンジョン日誌には、モンスターが仲間になる条件は有るのかって質問を書いておいたんだけど、
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『美咲ちゃんへ
企業秘密です☆
そうそう、召喚した個体より仲間にした個体の方がスキルを覚えたりとか強くなりやすいから、大事に育ててね』
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とかいう返事が書かれていた。
煽っていくスタイル嫌いじゃないわ。うふふふ。
「そんな訳ですが、今日こそはよろしくお願いします」
ナオさんの前に正座をして、白銀から渡されたプレートを押し付ける。
「美咲も懲りないニャー」
仕方が無いニャー。えいっ。と前肢でスタートボタンを押してくれる。
肉球可愛い……。一日中でも揉んで居られるわ。
とか思っていると、ナオさんから教育的指導を貰う。真っ黒い可愛い肉球の付いた足で踏まれても、ご褒美ですから。猫飼い的には。
それは兎も角相変わらずドラムロールが鳴って、プレートから花火が打ちあがる。
と思ったら、打ちあがっている花火の中から一つ、一際高く打ちあがったと思ったら、パンッと弾けて大きな虹色の花を形造った。
「昨日までのと演出が違う?」
「おめでとうございます。当たりを引いたみたいですよ」
一緒に覗き込んでいた白銀がそう言って拍手をしてくれる。
表情は動いてないけど。
「お~! 当たり。……何だろうね?」
煙が消えた後には透明なテニスボール位の大きさの玉が一つ転がっていた。
「【鑑定】」
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『【アイテムボックス】のスキルオーブ
使用すると【アイテムボックス】を覚える
煮ても焼いても食べられない 砕くとスキルも消失してしまう』
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うん。早く【鑑定】スキルさんのレベル上がらないかな……。
「アイテムボックスってアレよね?」
あれとかこれとか指示語ばかりが出る様になったらヤバイらしいよ。ちゃんと人に伝える努力をしなければ。
「アレが何なのは分かりませんが、亜空間に物を収納するスキルですね。確か、スキルレベルで収納出来る量が増える筈です」
と、真面目に白銀さんが答えてくれる。
「おおお~。一気に楽になるねえ」
何と言っても、現在はダンジョンに吸収させるために、倒した獲物を一体ずつ引き摺って持って帰って来ているのだ。
「ナオさんは要らニャいから、美咲が使うと良いニャー」
猫には荷物なんて必要ないのニャ。ぱしんと尻尾で私の膝を叩いてナオさんがそう言う。
まあ、ナオさんだとアイテムボックスを使えても、一匹だけ見せに持って帰って来るけど、後は放置して持って帰って来ない気がしないでも無いわ。
そんな訳で、ありがたくスキルオーブは私が使用させて貰ったのでした。
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