第15話 鑑定のスキル上げは苦行です

 そんな訳でダンジョン外に探索に出た我々です。ダンジョンマスターとは……。

 これって正解のルートはどうなってるのかなあ。


 そして割と早々にレベルが上がりました。

 ……私の【鑑定】の。


「【鑑定】」

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『ゴブリン

レベル2 ゴブリン

煮ても焼いても食べられない 凄い味がする』

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 うん、知ってた。

 レベル2になったぐらいじゃ使える子になってくれないようですよ。

 これ設定決めたの絶対あのクソ管理者マークだわ。


 レベル2になった【鑑定】さんは、何と食べられるかどうか表示される様になりました。

 いや、食べられるならDPダンジョンポイントを食料に使わなくて済むから有難いんだけど。

 でも現在調理器具を購入するポイントすら無いのよね……。世知辛いわ。


 ナオさんには私が鑑定してから戦うか戦わないか判断しようって言ったのに、見つけたら即飛び出して前肢を一振りですよ。

 我々レベル1でこの丘陵では最底辺だというのに……。

 危ないからって怒ったら、「イケルと思ったニャー」との事です。まあ、確かに相手は反応も出来ないまま切り裂かれてたけど。


 ナオさんの【爪+】っていうスキルは割と使い勝手が良いみたいで、意識すれば爪が武器の様に伸びたりとか、前肢を振るうと斬撃が飛んだりとか、近・中距離向きの戦いが出来るみたい。


 そうそう、鑑定だとレベルと名前と食べれるかしか分からないけど、自分のステータスを見ればもうちょっと詳しい事が載っている事が判明。

 例えば私だと

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美咲 レベル1 人族

職業 ダンジョンサブマスター

体力 C

魔力 B

力 A

防御 C

器用 B

敏捷 B

知力 C

精神力 B

幸運 B

所持スキル 【撫でる】【格闘】【鑑定】【生活魔法】【病気耐性】

称号 なし

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 みたいな感じ。

 項目の後のアルファベットは成長率だとかで、現在の数値が分かる訳では無いし、結局は余り当てにならないみたい。


 ちなみに同じレベル同じ成長率であっても、種族によって初期値が違っているから同じ強さにはならないみたい。

 まあ、ミミズとドラゴンとでは同じレベル1でも違うわよね。


 但し、このホーソーン丘陵に限って言えば、現在公開準備中の出来立ても出来立てダンジョンが有るって事で、基本的に周りをうろついているのにそれ程強いのは居ないらしい。冒険の序盤に出る敵ばかりって事ね。

 だから白銀が敵を鑑定してレベルを見て戦う様にって言った訳ね。


 このホーソーン丘陵は、山査子の木が垣根の様に繋がって生えていて、麓から丘の上のダンジョンの入り口まで真っ直ぐに行こうと思ったら道は一本しかない。

 小さい獲物が多いし、思ったように進めないしで割と難儀している。

 倒したら倒したで、獲物をダンジョンに吸収させるために持って帰らないといけないから、ぐるぐるっと丘を回って道に獲物を積み上げて、ちょっとずつダンジョンから遠くで狩りをしているって感じになっている。


 そして私がゴブリンの死体の足を掴んで引き摺っている現状について。

 絵面が悪くてもう本当にね……。ダンジョン運営ってこんなんだったっけな……って遠い目をしちゃうわ。

 力の成長がAで良かったナア……。ハハハ……。

 でもこれも大事なDPなのよ。


 ともあれ何をするにしてもDPを貯めないとどうにもならないから、暫くは無心で狩りをしなければ。

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